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さようなら「スペースワールド」 「涙と笑顔」のハイタッチでお別れ

客一人ひとりとハイタッチを交わす従業員ら

客一人ひとりとハイタッチを交わす従業員ら

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 「スペースワールド」(北九州市八幡東区東田4)が1月1日、27年の歴史に幕を下ろし閉園した。

従業員らが整列し「いつかまた、あの星で会いましょう」と締めくくった

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 新日本製鉄(現新日鉄住金)が経営多角化の一環で1990年開業した同園。宇宙をテーマにした大型アトラクションやショーなどが人気を集め、ピークの1997年度は約216万人が来場した。

 2005年から「加森観光」(北海道札幌市)が運営を引き継ぎ、プールなどアトラクションを新設し2008年には入場者数が増加に転じた。昨年12月、アイススケートリンクに魚を氷づけ展示したことが批判を受け、全国的な話題になったが同時期に「2017年末をもって閉園」の発表もした。

 その後は閉園という寂しい現実を、「なくなるよ!全員集合」や「(今年は)普通のスケートリンク」など、開き直りとも取れるユーモアを交えてPRしたことが話題になり、12月は閉園を惜しむ客が押し寄せ長い行列ができた。

 最終日のこの日は、24時のカウントダウン直前まで、歌手の松崎しげるさんやクリスタルケイさん、酒井法子さんらが持ち歌を披露してステージを彩り、24時を過ぎると数千発の花火が打ち上げられた。

 閉園予定時間の2時ころから、メインゲート前に従業員らが並び始め、帰る客ら一人ひとりにあいさつをしながらハイタッチで別れを告げるシーンが見られた。中には号泣する客につられて涙を流す従業員の姿も。

 予定を大幅に上回る3時18分、客らがゲート外から見守る中、社員らが整列し、BGM「蛍の光」がフェードアウトされると「おうし座の方角、地球から417光年離れた星。このたび私たちはその星に『スペースワールド』の名前をつけました。そして本日、北九州での27年間の営業を終え私たちは閉園します。でも、スペースワールドの物語は夜空に輝く小さな星として永遠に受け継ぐのです。27年間、愛してくれてありがとう、沢山の笑顔を見せてくれてありがとう、悔しいけれどお別れです。不器用でちっぽけで、でも一生懸命頑張った遊園地をどうかどうか忘れないでください。只今を持ちまして、北九州スペースワールドはすべての営業を終了します。いつかまた、あの星で会いましょう」(原文ママ)とアナウンスし、敬礼で締めくくった。

 3時25分ころには完全に消灯されたが、ゲートの前には約300人の客が残り、自然と湧き上がった「さようなら、ありがとう」の声や「万歳三唱」をして閉園を惜しむファンの姿が見られた。最終日の来場者数は未発表だった。

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