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中間の酒販店が移転-イタリア人婿迎え家族で切り盛り、独自の品ぞろえも

「50年以上旧店舗で営業を続けてきたが、ここ数年の酒販店を取り巻く環境は厳しい。息子や娘夫婦が帰ってきて、家族経営で危機を乗り越えようと考えた」と大庭民雄さん(左)。

「50年以上旧店舗で営業を続けてきたが、ここ数年の酒販店を取り巻く環境は厳しい。息子や娘夫婦が帰ってきて、家族経営で危機を乗り越えようと考えた」と大庭民雄さん(左)。

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 中間の酒販店「地酒とワイン 大庭」(中間市東中間2、TEL 093-245-0814)が4月11日、筑豊電鉄中間駅前の旧店舗から移転オープンした。

酒蔵「旭菊」にて2週間の酒蔵研修を終えたファブリツィオさん。

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 店舗面積は約30坪。全国各地の地酒約500種とイタリアやフランスを中心にワインを約1000種、イタリア産のチーズやパスタ等を取りそろえる。店主の大庭民雄さんは「50年以上旧店舗で営業を続けてきたが、ここ数年の酒販店を取り巻く環境は厳しい。息子や娘夫婦が帰ってきて、家族経営で危機を乗り越えようと考えた」と移転のきっかけを話す。

 2010年の12月、それまで親子3人で経営してきた同店に、娘の彩佳さんと夫のファブリツィオさんが伊サルデーニャ島から帰ってきて家業を手伝うようになった。

 彩佳さんは2004年から、映画ビジネスの勉強のため英ロンドンに留学。現地のスターバックスでアルバイトをしていた時、同店で働いていたファブリツィオさんと出会い結婚。妊娠もしたが「ロンドンでの子育ては難しい」と考え、ファブリツィオさんの故郷、伊サルデーニャ島に移住し出産した。その後、父・民雄さんの「いずれ孫は日本でも育てたい」との希望をかなえるために帰国した。

 ファブリツィオさんは「ロンドンに住んでいた時に彩佳がお土産に持って帰ってきた日本酒を初めて飲んだ。以来、日本酒や日本の文化に興味を持つようになった」という。「日本酒の味わいは、味覚や食習慣の違う欧米人には理解しにくいと思うが、とても奥深い」とも。酒蔵の研修などを重ね、現在「酒販店の婿」として頑張っている。

 現在店内にはサルデーニャ島産のチーズやパンなど、ファブリツィオさんが独自に仕入れ始めた商品も数多く並ぶ。「島の高校の先輩がたまたま東京で食材輸入をしていた関係から」取り扱い始めた。「大阪以西ではここだけ」のものもあるという。

 営業時間は10時~20時。

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