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北九州の企画会社「サンカッケー」 商店街の事務所をバーとの「二毛作営業」に

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 黒崎・寿通り商店街の企画会社「サンカッケー」(北九州書八幡西区)は5月12日から、夜の空き時間を利用して同事務所内をバーとして活用する二毛作営業を始めた。

店長の佐藤理絵さん

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 店名を「TR▲NSIT(トランジット)」として営業するバータイムは店舗面積約5坪、カウンター5席の小さな店だが、「通りまではみ出す収容人数は約30人」(オーナーの福岡佐知子さん)という。店名には「乗り換え」「ここを経由してどこか別の場所に」「昼から夜に切り替え」「色んなものが交錯する場所」などの意味を込めた。

 寿通り商店街は、「13店舗全て同じオーナーで、通り自体は私道であるため、ある程度自由に活動ができる」と昨年11月に拠点を今の場所に移した。以来、毎週木曜に異業種交流会を行ってきたが、「もっといろんな人と話をしたい。木曜日の交流を毎日したい」と考えるようになり、バー営業を始めた。

 福岡さんは、以前「演劇をまち中に浸透させる企画で(黒崎の)まちに関わるようになった」が、一方的に(演劇を)押し付けるのではなく、まち側に立って演劇を受け入れる土壌づくりをしたいと考えるようになり、2012年2月、まちづくり団体の「カタログサンカッケー」を発足させ、当初は近くの空き店舗だったスナックを事務所に使っていた。

 「まちに拠点を持ち、演劇の普及を促していることが、結果まちづくりになっていると気付いた」と振り返り、その後、近隣の商店主らから持ち掛けられる相談を解決する同社を起業した。当初は「コネ無し、お金なし、仕事なしの三重苦だったが、約6年たって株式会社を創業でき、店を持つことができた。全て関わっていただいた人々の支えがあってこそ」振り返る。開業後は「なぜ木曜日だけ営業?」「昼間も人がいるけど何をやっているの?」などと疑問を持っていた通行客が来店するようになり、「一層、まちになじみ、交流も進んだ」。

 「この通りにはまだ空き店舗が5店舗ある。既存のお店への配慮をしながら、空き店舗を埋める活動をしていきたい」と抱負を話す福岡さん。

 バータイムの主なメニューは、ワイン(赤・白、600円~)、ビール(500円~)、ハンドドリップコーヒー(500円)、「八百屋さんのぬか漬け」「生ハムグリッシーニ」(以上300円)など。。

 営業時間は17時~23時。日曜・祝日定休。

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