北九州イノベーションギャラリー(北九州市八幡東区東田2、TEL 093-663-5411)で4月23日、「時を刻む~“かたち”になった人類の英知~」が始まった。
「ビッグベンのように」大時計の中に入り込んが写真が撮れる3Dトリックアートも
東芝未来科学館(神奈川県川崎市)所蔵で、東芝創業者で、「江戸の天才からくり師・からくり儀右衛門」の異名を持つ田中久重さんが作った機械式の置き時計「万年時計」を展示をメーンに据え、セイコーミュージアム(東京都墨田区)から借り受けた歴代のセイコー製品、地元の時計店から借り受けた貴重な世界各地の時計、ドキュメンタリー映像など約160点を集めた同館企画のオリジナル展示となっている。
万年時計は、時間だけでなく「太陽と月の動き」「二十四節気」「曜日」「月齢」「曜日」「洋時計」など6つの機能を、ぜんまい仕掛けで動作する精密な時計で、2005年に文部科学省によって復刻されたレプリカの一つ。1日を24時間で等分割する「定時法」ではなく、当時一般的に用いられていた、日の出から日の入りまでを6分割する「不定時法」(季節によって時間の長さが変動する)を利用しており、それらを自動的に計測して表示させていることも特徴。重要文化財に指定されている。
東芝未来科学館副館長の木下成雄さんは「一般には家電メーカーとして知られている現在の東芝だが、創業者である田中久重のこうした探究心が今でも礎(いしずえ)となっている。(万年時計は)館のシンボル的な貴重な存在」と開催式典であいさつした。
展示室は、世界の時計の歴史を振り返る「時計年表」、日時計や水時計などを紹介する「時計の始まり」、機械時計などを集めた「時計の発展」、世界表人事の仕組みを紹介する「時計の進化」、時計に触れて遊ぶ「時で遊ぶ」、体内時計で10秒を測ったり、巨大な時計の3Dアートで写真を撮ったりできる「時のテーマパーク」の6部構成となっている。
開館時間は9時~19時。月曜休館。入場料は、一般=300円、小中学生=100円。7月3日まで。会期中の土曜・日曜・祝日は「日時計を作ろう」体験会(参加費100円)を開くほか、5月28日には「腕時計を作ろう」ワークショップ(参加費3,500円)も予定する。