貸衣装専門店「みやび」(北九州市小倉北区宇佐町1)に1月7日、衣装のレンタルをする市内外の新成人が続々と押し寄せている。
ブライダル中心の貸衣裳店だった同店。店主の池田雅(みやび)さんによると、「以前から成人式用も貸し出していたが、2003年、幼稚園からの幼なじみという二人組みの男性がリクエストした『金銀』の衣装がきっかけとなって、翌年から続々と派手な衣装を求める新成人が来店するようになった」という。
この数年は、先輩たちの派手な衣装を見た後輩たちによる口コミも手伝って、毎年約1000着の貸し出しを行い、成人式前夜から早朝にかけて約40人の着付け師らが男性約300人、女性約100人の着付けを仕上げる。
深夜1時ころから始まった着付けは、北九州市近隣の京都郡や行橋市、下関市の客から順に着付けを始め、ピークを迎える6時前後には市内の男性グループに取り掛かる。「男性は約15分~20分、女性はヘアメークもする場合があるのでその倍以上時間が掛かる」といい、成人式が始まる11時直前までに、約400人の着付けを仕上げる。
下関市から訪れた男性グループは「下関市内にも貸衣裳店はあるが、要望をきちんと聞いてくれるところがない」と、同店を選んだ。名前入りの扇子や番傘、横断幕なども同店で注文できる。
池田さんによると「ここに来る子たちは、見た目と違って礼儀正しい人たちばかり」といい、次々と「正装」が仕上がる新成人たちに「(成人式を)楽しんでおいでー」と声掛けしながら見送っていた。