「ゆるキャラグランプリ」に北九州市内からエントリーしたキャラクターを運営する各団体を取材した。
「全国のゆるキャラの知名度アップによる地域活性化」を目的に2010年から行われている同グランプリ。今年は国内外の地域・企業・団体の1580体がエントリーし、総投票数約1700万票と、締め切りまで白熱した選挙戦が繰り広げられ、直前まで2位だった「さのまる」(栃木県佐野市)が120万4255票を集め、グランプリの栄誉を手に入れた。
北九州市内からは、「モモマルくん」「ていたん」「じーも」「だるまちゃん」などがエントリー。いずれも早い段階でエントリーし、投票を呼び掛けるチラシを配布するなど積極的にPR活動は続けたが、昨年の倍近いエントリー数に苦戦した。
一昨年7位、昨年11位、今年は48位に終わった市保健福祉局「モモマルくん」は「順位は気になるがそれだけではない。イベントなどへの積極的な参加で人権啓発に資する活動ができた」と同局担当者。
「環境モデル都市」の取り組みをPRする「ていたん」は208位。「昨年の102位を上回る100位以内を目指し、10月開催された『北九州エコマンス』の各イベントへの参加などPR活動を行った。市民から応援されているという実感はあった」(環境局担当者)と振り返る。
門司区のマスコットキャラクター「じーも」は252位(昨年37位)。「昨年は思わぬ評価を頂いた。順位にはあまりこだわらず、ファンらとの交流がブログなどを通じて広まったことや、イベントの現場で写真撮影やグッズ配布など細やかな活動をした結果」(区企画推進室担当者)とし、「市民でも門司港に遊びに行くという感覚があまりない人が多い。今後も『じーも』とともに市内外へ門司区の魅力を発信し続けていく」と話す。
唯一、昨年の721位から順位を上げた「小倉焼うどん研究所」のマスコットキャラクター「だるまちゃん」は414位。「順位もさることながら、民間組織が焼きうどんだけでなく、『ゆるキャラさみっと』やグランプリ表彰式に参加して、小倉や北九州の存在をPRしてきたことに意義がある」と竹中康二所長。
ほかに、市社会福祉協議会の「プチボザウルス」(1152位)、アパマンショップ「べあ~君」(73位)などのエントリーがあった。
朝日新聞によると、2011年にグランプリを獲得した「くまモン」の本年度活動予算は9,000万円。今年グランプリの「さのまる」は700万円(佐野市観光推進室発表)、2位の「『出世大名家康くん』(静岡県浜松市)の予算は1,700万円」と鈴木康友市長が記者会見で明かすなど、行政のゆるキャラ予算は上昇気味だ。今後、その費用対効果などが問われそうだ。