北九州空港(北九州市小倉南区空港北町)に6月29日、世界最大級の貨物輸送機「アントノフ」が飛来した。米テネシー州の自動車工場に据え付ける合計360トンの「自動車製造ライン用の機械」のうち、今回は約60トン分を運び出すために8時ころ着陸した。同機の飛来は2008年2月以来2回目。
アントノフ(An-124)は、1970年代の旧ソ連時代に軍事物資輸送を目的に開発された貨物機で、「航空輸送業界では747ジャンボジェットに積めないものは、これで輸送するのが定番」と、現場に立ち会っていた輸送会社関係者。
翼の幅約73メートル・全長約69メートルの堂々たる大きさで、通常、縦方向に使う同空港の4番・5番・6番の3スポット分を横方向に専有して駐機し、強い雨が降りしきる中、積み込み作業が進められた。
北九州空港の滑走路は2500メートルで、「(同機は)最大110トン積載できるが、北九州空港を離陸させるためには今回の60トン程度が適当で、燃料も少なめにしてきた」(同)という。
同機は、18時過ぎに北九州空港を飛び立ち、「セントレア中部国際空港」(愛知県)で燃料を追加補充し、「アンカレッジ国際空港」(米アラスカ州)を経由して「ナッシュビル国際空港」に向かう予定。