1年以上空きテナント状態だった小倉・室町の「TMビル」(北九州市小倉北区室町2)を舞台に、8月28日、ビル再生プロジェクト「室町シュトラッセ」が始まった。
3階建ての同ビルの延べ床面積は約370平方メートル。1階は1年以上、2~3階は3年以上空きテナント状態が続いていたもので、ビルオーナーから「リノベーションしてビル全体の活性化」の相談を受けた「タムタムデザイン一級建築士事務所」(京町1)の田村晟一朗さんが企画し、約7カ月かけてオープニングにこぎ着けた。
1階にはインドカレー店の「ギタンジャリ」が6月から入居し、2階はデザイン事務所やプログラマーらが開業し、輸入雑貨店「ありん」は旧店舗(砂津1)から移転してきた。3階にはエステティック店が入居し、会議室や共用のサロン、通路を利用したギャラリーなどを設けた。
旧長崎街道に面する同ビル。田村さんは「プロジェクトは始まったばかり。古い民家や商店が残る歴史ある街道に個性的なテナントを集めることで、新しい魅力を発信していきたい」と期待を込める。
同日オープニングイベントが行われ、郷土史家の菊池満さんによる講演「室町今昔物語」が行われた。「室町はかつて武家と町人が住む『もろもろの町』という意味の諸町だった。やがて訛(なま)って室町になった」というエピソードや、小倉駅がこのエリアにあった時代にとても賑(にぎ)わっていたことなどを話した。