小倉南区のラーメン店「麺屋 新月」（北九州市小倉南区沼本町3、TEL 093-383-8976）が2月3日、1周年を迎えた。

カウンター中心に19席を配する店内。

　店主の武田恭典さんがサラリーマンから転身して、昨年2月に同店を開いた。父親が経営していたレストランでの厨房経験があり、もともと飲食業での独立志向はあったが、開業にあたり「『ロスが少なく、人手も少なくて済む』とラーメン店を選んだ」と開店時を振り返る。「半年間のラーメン修業も行ったが、イメージしたほど簡単なものではなかった」とも。

　店名は、妻の友人の言葉「新月には不思議な力がある」の一言で決まった。

開店当初は、メニューの片隅にあった「つけ麺」が口コミなどで話題になり、現在は「平日の4割、土日は6割程度注文が入る」という。「特に強くアピールしたわけではないが、いつの間にか『つけ麺店』のイメージができあがってしまったのも不思議」と武田さん。

　通行量の多い幹線道路に面するため、「開店当初は目新しさも手伝って行列ができた」が、一段落して落ち着いたころに東日本大震災が発生し、それまでの状況が一変。「特に夜の売り上げが大幅に落ち込んだ」という。

　「経験不足からいろいろな不安もあるが、仲のいいラーメン店主たちで作ったグループ『六倉會（りくそうかい）』のメンバーと情報交換ができて励みになっている」と仲間のありがたさを話す。「孤独でライバル意識の強い店主たちだが、仲間意識も人一倍強い。スープの状態を保つアイデアなど、通常得がたい情報を多くもらっている」とも。

　1年たった今、心掛けていることは「美化と口コミ」という。「ラーメン店は清潔感が基本。ちょっとでも怠るとお客さまに気付かれる。接客はさらに大切。帰り際に『おいしかった』と言われるよう務めている」と武田さん。

1周年を記念して今月10日まで、ラーメン・つけ麺を100円引きで提供している。営業時間は11時～15時、17時30分～21時30分。火曜定休。