「We Love 小倉協議会」(北九州市小倉北区紺屋町13、TEL 093-533-7337)は10月13日、「まちなか講座-コクラボ」の一環で「アーケードの上を歩こう」講座を開き、大学生や社会人14人が参加した。
同講座は、作家・赤瀬川原平さんらが提唱した「路上観察学会」の「小倉支部」と共同で、「意味不明なドア、その先に何も無い階段などの街中の不思議な光景や、マンホールのデザインや鉄道、橋などの『近代遺産』に着目し、それらを写真に撮り、参加者同士が感想を共有する」講座を行ってきた。
今回の「アーケードの上を歩こう」は、北九州市立大学・真鍋和博教授が「普段上がることのできないアーケードの上は、その下を行き交う人々には想像できない光景が広がっている。見慣れた商店街の違う側面を見ることで、まちへの愛着も深まる」と企画した。アーケードは魚町から京町にかけて縦横無尽に伸び、総延長2キロメートル以上。この日は寸断された一部を除き、約800メートルを歩いた。
昨年、設置から60周年を迎えた「魚町銀天街アーケード」は、これまで改修が繰り返され、「天井の開閉機能」や「無線LAN」、「デジタルサイネージ」などを加え、通行客への利便性向上を図ってきた。数十カ所に取り付けられた監視カメラや人感センサー、連結送水管、光ファイバーケーブルや電力関連機器などの架台として、アーケードは「防犯や災害防止」の役割も担っている。
参加した大学生からは「普段利用しているお店の違う側面を見ることができた。アーケードの下では『商い』という営みが行われているが、上では人々の『生活の営み』も見ることができる。空中を散歩するように楽しんだ」との声も聞かれた。真鍋教授は「どのビルも3階以上は有効に活用されているとは言いがたい。『リノベーション』などの手法をとって、もっと人が住める環境を整えたら、街のにぎわいも変わると感じた」と話した。