小倉・魚町銀天街の「中屋興産ビル 自由市場」(北九州市小倉北区魚町3)内に12月24日、「中華煎餅(ジェンビン)」がオープンした。
コチュジャン、全粒粉クラッカー、ベーコンを組み合わせたジェンビン
小麦粉と緑豆粉を溶いた粉でクレープ状の生地を焼き、甜麺醤(てんめんじゃん)やコチュジャンのみそに玄米や全粒粉のクラッカー、ベーコンやハムなどの具材を巻いて食べるもので「中華街などで違う品名で似たようなものはあるが、中国のジェンビンが本来持っているもちもちした生地を再現したものは多分日本初」と店主の山本領時(りょうじ)さん。
山本さんは、飲食店などのサラリーマン時代に知り合った中国人の雑貨店店主が「ジェンビンを食べたい」と耳慣れない商品名を漏らしたことに興味を持ち、起源と言われる山東省や天津、北京などの路上で販売されているジェンビンを食べ歩いた。「日本ではまだなじみがないが、日本人の食感に合わせて工夫すれば受け入れられる」と確信し、開業した。
「ジェンビン」(520円)は、味のベースとなる「甜麺醤」「豆板醤(とうばんじゃん)」「コチュジャン」のいずれかを選び、「玄米」「プレーン」「全粒粉」「食塩無添加」のクラッカー、「ハム」「ベーコン」の具材をそれぞれ選んで注文する。
同ビル内のマッサージ店に勤務する山東省出身の中国人女性は「日本では初めて見た。故郷では朝ごはん代わりによく食べていた」と懐かしんでいた。「来店したお年寄りの一人が、『戦前、ハルピンで食べた。当時の味そのまま』と話してくれた。年齢層の高い魚町3丁目だからこそニーズはあると思う」と、山本さんは期待を込める。
営業時間は11時~18時30分。