門司にリノベーション商業施設「風呂乃井」-築80年の長屋を改修

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 門司の「柳町商店街」近くの商業施設「アルコーブ風呂乃井(ふろのい)」(北九州市門司区柳町3)の改修工事が終わり、5月16日からテナントの募集が始まった。

建物内部は「スケルトン状態」で渡し、借り手がそれぞれ内装を施す予定

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 元になった築80年以上の長屋4戸は、それぞれ約13坪の住戸として使われてきた。昨年12月に借地権が満了し住人が退去したことに伴い、オーナーが不動産会社に「壊すのではなく、建物を生かす手法で」入居者を募るよう依頼。不動産会社にプラン提出を依頼された一級建築士の田村晟一朗さんも同様に「基礎に、北九州の産業遺産の象徴とも言える『鉱滓レンガ』が使われ、いったん取り壊すと同様の建物は建てられない」と、リノベーション手法でテナント募集するプラン作りを行った。

 中庭に井戸があること、「安徳天皇が源平船合戦最中に足を休めた」という伝説の残る旧地名「風呂」を生かしたいなどの理由から施設名を「風呂乃井」とした。

 改修工事には想定外の困難も伴った。「100平方メートルを超える建物の用途変更は難しく、建築法上の書類整備に多くの時間を割いた」と田村さん。各戸を仕切っていたコンクリートブロックは撤去し、ウッドデッキを設けるなどして建物内部に光が届く配慮もした。現在は「飲食店やエステ、アンティーク雑貨店から問い合わせが来ている」といい、「この夏のオープンを目指して入居者を選定中」とも。

 「立地的には好条件とは言いがたいが、個性的な4店がそろうことで光ることができる。周辺への波及効果もある」と期待を込める。

 入居費用、連絡先など詳しい情報はホームページで確認できる。

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