門司・大里の「カフェ・ド・ブリック」(北九州市門司区大里本町3、TEL 093-371-2600)の経営者が変わって3年がたち、口コミやリピーターによる客が定着してきた。
1916(大正5)年に建てられたビール工場の醸造棟跡を2005年に改修しカフェとして営業開始した同店。店舗面積は約30坪、席数は32席。店名は、施設内に展示してあるイラストレーター・わたせせいぞうさんの絵に架空の店として描かれているもので、9年間、そのまま使われ続けている。
カフェやイタリアンレストランなど業態を変えながら5代にわたってオーナーが変わった同店を、現在の店主・黒瀬剛司さんが3年前に引き継いだ。「直前は客単価の高い高級店で、そのイメージを払しょくするために苦心した」と振り返りながら、「低価格のコースやバラエティー豊富な梅酒など、女性客をターゲットにしたわかりやすさと新鮮さをテーマに、メニューは臨機応変に更新している」といい、「フリーペーパーなどで広告は一切行っていない。口コミなどで、女性客のリピーターや遠方のお客さまが定着している」と自信を見せる。
5月からは、ブームが一段落したともいえるパンケーキを提供し始めた。「後発として独自の工夫が必要」と、子ども連れ客の多い同店らしく「全粒粉ときび砂糖を使い、健康に気遣ったもの」にし、「自家製クラシックパンケーキ」(680円)や「ストロベリーパンケーキ」(900円)など7種のパンケーキメニューをそろえる。
そのほか、「パスタ」(800円)、「ドリア」(850円)などのランチや「枝豆」「サイコロベーコン」(以上300円)、「シーザーサラダ」「チキン南蛮タルタルソース」(以上600円)、「サーモンのカルパッチョ」(760円)、「ミックスピザ」(890円)などのダイニングメニュー、カクテル(480円~)、ノンアルコールカクテル(460円~)、梅酒(450円~)のドリンクメニューなど、女性客をメーンターゲットにした100種を超えるメニューをそろえた。
周辺は、この10年間で高層マンションや高級住宅が立ち並ぶエリアに変貌した。施設を管理するNPO法人「門司赤煉瓦倶楽部」代表の竹中さんは「10年前に比べて住民が10倍以上になった。市内でも注目に値する特別なエリア」と話す。黒瀬さんは「比較的富裕層の多い高層マンションのお客さまらが、犬の散歩ついでに立ち寄っていただく場面も多くなってきた。梅雨が明けるころにはテラス席で楽しめるメニューも拡充したい」と意欲を見せる。
営業時間は11時30分~14時(土曜・日曜は16時まで)、18時~23時30分。木曜定休。