小倉の中心部を流れる紫川下流域で8月31日、「第6回 全日本紫川ダンボールボートレース」が開催され、市民や企業、大学生で構成されたチームによる全30艇が出場した。
カナダのカヌーを模したデザインで圧倒的な強さを見せた「オレンジピール号」。伊古野さん(奥)と大島さん
「紫江’s」(北九州市小倉北区船場町)前の浮桟橋をスタート地点に、川面に浮かべられた2カ所のブイを反時計回りに回る約200メートルのコースをゴールまでのタイムを競い、5艇ずつ6グループに分かれ、それぞれの最高タイムを出したチームが決勝へと駒を進めるルール。
ボートの製作に使われる段ボールは全て実行委員会から支給され、航行しやすい形のアドバイスや設計図とともに参加者に渡される。スピード重視のシンプルな構造のものや各企業のPRの趣向を凝らせたものまで、さまざまな色や形の艇が出場した。
出場者の一人で、レストラン「オレンジピール」(門司区藤松3)店主の伊古野(いこの)修さんは、カナダのカヌーを模したデザインの艇を「約2週間の工期で、費用は2,000~3,000円」で仕上げ、レースに挑んだ。これまで数回挑戦した経験から「直進安定性とスピードを重視したスリムで美しい船体」と言い、狙い通り予選を1位通過。決勝でも盤石の強さを見せ、過去5回の最高タイム1分46秒69で見事優勝した。
オールを漕(こ)いだパートナーの大島治さんは「出場チーム中、ほぼ最高齢の2人が優勝できたのは、ほとんど船体デザインのおかげ」と目を細める。
スタート前に艇が流されるチームや、スタート直後に川に転落するチームなど珍場面も続出し、にぎやかな声援と笑い声に包まれた。