シネプレックス小倉(北九州市小倉北区砂津3)に9月10日、映画監督の紀里谷和明さんが訪れ、来館者に向け11月公開予定の新作「ラスト・ナイツ」のPRを行った。
「キャシャーン」「GOEMON」に次ぐ3作目。「忠臣蔵」で描かれた武士道をテーマにし、中世のとある封建国家を舞台にモーガン・フリーマンさんが高潔さゆえに謀略によって斬首される領主を演じ、その家臣で復讐(ふくしゅう)を遂げる役をクライブ・オーウェンさんが演ずる。日本からは護衛官・イトー役で伊原剛志さんが出演した。
「約5年前、出合った脚本に惚(ほ)れ込んで、まずクライブに出演をオファーし快諾された。その後モーガンに脚本を送り出演が決まった。2年前にチェコで始めた撮影は、マイナス20度で役者の口が回らなかったり、このスケールの映画をまとめる苦労を味わったりと、何度も挫折しかかった」と振り返る紀里谷さん。
「シェークスピアの『リア王』が黒澤明監督の手によって『乱』になった。日本の『忠臣蔵』が、ハリウッド発で素晴らしい役者らが演じることで、武士道が世界に広まるきっかけになれば」と期待を込める。
紀里谷さんは熊本出身で、「今回のPRキャンペーンは地元の熊本から出発した。親戚が小倉に住んでいるので、小学生のころに何度か来たことがあるが、40年ぶりに見る景色は一変していて記憶が結び付かない」と話した。
映画は11月14日から同館で公開される予定。