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門司港で「バナナ供養」 観光客らが「バナナの魂」見送り

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 門司港のレトロ中央広場(北九州市門司区東港町)で10月11日、「バナナ供養」が行われ、約50人の観光客が参列した。

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 明治時代から、台湾からの輸入バナナの荷受け港として栄えた門司港は、保存方法が確立されていない時代に消費期限の迫ったバナナをさばく手段として露天商が「バナナの叩き売り」を始め、その発祥地として知られている。

 当時は高価だったバナナを庶民が安く入手する方法としてもてはやされたが、高度経済成長期以降、露天商としてのバナナのたたき売りは一時途絶えた。1980年代から同エリアが「レトロ」をコンセプトに再開発されることになり、観光客を呼び止める大道芸として再び注目を浴びている。

 法要を進行した門司港のローカルヒーロー「バナナマン」こと秋武政道さんは、「日頃、叩き売られるバナナの御霊(みたま)を供養する」と冒頭あいさつし、読経を上げた「西蓮寺」(東門司2)の僧侶・川村寿法さんは「門司港の食文化の象徴であるバナナにも尊い命が宿っている。安らかに見送りたい」と、観光客としてたまたま居合わせた参列者に焼香を促し、終始笑顔で和やかな雰囲気の中バナナの魂を見送った。

 バックパッカーとして旅行中の英・グラスゴー出身のピーターさんは「食べ物を大切にする日本人らしい風習。世界中を旅したが、こんな面白い光景は初めて」と目を丸くしていた。

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