北九州市漫画ミュージアム(北九州市小倉北区浅野2)館長の田中時彦さんが3月7日、イラストとエッセーをつづった本「北九州路地裏さんぽ」を出版した。
40年以上前に「少年マガジン」でペンネーム「畑(はたけ)たいむ」として漫画家デビューした田中さん。デビュー作は、当時人気だった相撲取りをモチーフにした「スーパーぶたーまん」。
「(毎週のペースで)ギャグ漫画の連載を続けていると、やがて描けなくなる。そんなときに路地裏を歩いてイラストを描くことを思いついた」と振り返り、約40年にわたるライフワークとなった「路地裏」シリーズのきっかけを話す。
「路地を歩いて何かを描いていると犬にほえられ、不審者と間違われるなど苦労も多かった」と田中さん。苦労話だけでなく「招き入れられて食事をごちそうになったり、モデルとなった家の方から熱烈なファンレターをもらったりした」と笑顔で振り返る。描きためたイラストはほかに100点以上あり、「売れ行き次第では続編を」と期待を込める。
市内7区にわたって42カ所を掲載した。体裁はB5版100ページ。1,296円。「クエスト小倉本店」(馬借1)や「くまざわ書店」(浅野1)などで扱う。