北九州商工貿易会館(北九州市小倉北区古船場町)で3月19日、有休不動産や衰退エリアの再生手法を学ぶ「北九州リノベーションスクール」の公開プレゼンテーションが行われた。
同スクールは2011年から毎夏冬開催され、今回で12回目。最終回となった今回はスクール受講者と運営スタッフ合わせて約200人、プレゼンテーション会場には約300人が詰め掛けた。
プレゼンテーションでは、農業からアパート経営に転換した郊外エリアで、地域のコミュニティーが無くなったことを悩む農家系の地主に対し、残された菜園や防空壕(ごう)を生かし、ヤギを飼い自給自足のピザを提供するレストランや開かれた庭の提案など、実現性の高い事業アイデア8案が提案された。
ほかに、公務員のまちづくり意識を変える「公務員リノベーション」や、地域を題材にしたメディアを作る「地域メディアビジネス」、空きテナントの内装を一時預かり保育施設へリニューアルする「セルフリノベーション」の発表がされた。
主催者の一人で「HEAD研究会」代表の清水義次さんは、最終回を迎えたことで、「スクールは遊休不動産を題材に始まったが、形のないものをテーマにすることへと変化している。北九州はリノベーションの聖地となったが、あぐらをかくことなく他地域のアイデアをどんどん導入すべき。今後は、年に1回程度各地の動きを共有するセカンドステージとしていきたい」と話す。