個性的なメッセージを門前に掲げることで知られる「永明寺」(北九州市八幡東区川淵町3)住職の松崎智海(ちかい)さんが、ハロウィーンをにちなんだポスターを制作した。
松崎さんはこれまで、塩を振るしぐさが独特のトルコ人シェフ・ソルトベイさんをまねて「お焼香ファサー」をしたり、「シン・ゴジラ」をモチーフに「シン・オテラ」ビジュアルを制作したり、個性的なPR手法で知られている。
ハロウィーンバージョンは、「固く捉えられがちな仏教の教義(法輪)をもっと身近に感じてもらいたい」と「HAPPY HOWRIN(法輪)」をキャッチコピーにし、仏教的児童文学作品としても知られる芥川龍之介の「蜘蛛(くも)の糸」をテーマにした。
「蜘蛛の糸」が持つメッセージについて松崎さんは「お釈迦(しゃか)さまの救いを信じることができなくなった(主人公の)カンダタは、それが蜘蛛の糸のように細い存在に思えた。仏の国に行こうと上を見ていたカンダタが、いつの間にか下ばかりを見るようになり、糸が切れてしまった。話はここで終わるが、この後、落ちてしまったカンダタも阿弥陀如来は救うと思う。つまり、仏の教えを信じることのできないカンダタとは私自身のことで、そんな自分でも結局救われていくものであり、自己中心的な人間の本性を表している」といい、寛容な仏教の宗教観をビジュアルに込めた。
松崎さんの「HAPPY HOWRIN」ツイートは現在リツイート100以上、いいねが200程度となっている。