飲食店向けの「受動喫煙防止対策説明会」が11月28日、総合保健福祉センター(北九州市小倉北区馬借1)で行われた。
昨年、主に人が集まる場所での受動喫煙を防止する目的で「健康増進法」の一部が改正され、2020年4月から、飲食店などの事業者は「望まない受動喫煙」を防止する努力が求められる。
今年7月からは学校や病院、行政機関の庁舎などは、敷地内の喫煙はできないことになっているが、事務所・工場・ホテル(旅館)・飲食店・旅客運送用事業船舶・鉄道などは来年4月以降、「原則屋内禁煙」となる。ただし、喫煙室の設置や加熱式たばこ専用の喫煙室設置などを設置することで喫煙可能になる場合もある。
小規模店舗には「経過措置」が適用されるほか、バーやスナックなど「喫煙目的施設」と認められる場合もあり、その定義などを巡って経営者側の混乱も予想される。
説明会では、「産業医科大学」(八幡西区医生ケ丘)の教授・大和浩さんが登壇し、自身の禁煙失敗談(現在は禁煙23年継続中)などを交えながら、「サービス産業を含むすべての職場と屋外の受動喫煙防止対策」について講演した。
「(自動車運転における)シートベルトや原付きのヘルメットは義務化されたことで、結果、国民の命を守る大切な法律となった。今回のようなたばこにまつわる法令も、最初は反発が有ると思うが、命を守るための時代の要請」と、集まった約200人の飲食店主らに説いた。
規定では、施設内に喫煙室を設けることで来店客の喫煙は可能になるが、店頭に「喫煙可」の表示が義務化され、家族連れであっても子どもの入店ができなくなるほか、未成年の従業員を雇用することもできなくなる。大和さんは「喫煙者の割合は20%程度で、その他大勢の非喫煙者から『喫煙可』の店は選ばれなくなる可能性が高い」と力説し、完全禁煙化の営業を勧めた。
主催した保健福祉局健康推進課は、完全禁煙化した飲食店を「きたきゅう健康づくり応援店」として認定し、市ホームページで公開している。