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北九州の有名店主ら「あくなき食への探求」トークイベント

(左から)「天寿し」の天野功さん、「ナリサワ」成澤由浩さん、「照寿司」渡辺貴義さん、コーディネーターの「世界ベストレストラン50」の日本評議員委員長・中村孝則さん

(左から)「天寿し」の天野功さん、「ナリサワ」成澤由浩さん、「照寿司」渡辺貴義さん、コーディネーターの「世界ベストレストラン50」の日本評議員委員長・中村孝則さん

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 北九州の食をテーマにしたトークイベント「あくなき食への探求」が11月18日、「コンパス小倉」(北九州市小倉北区浅野3)で行われた。

約2時間に渡ったトークイベント。「まだまだ話足りない」と渡辺さん

 グルメ情報サイトでたびたび全国上位にランクインする「天寿し」(京町3)店主の天野功さんや「照寿司」(戸畑区菅原3)店主・渡辺貴義さん、門司港駅の洋食レストラン「みかど食堂byNARISAWA」をプロデュースした「ナリサワ」(東京都港区)オーナーシェフの成澤由浩さんらが登壇。農業や水産業の生産者、飲食店店主、メディア関係者ら約50人が参加した。

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 すしを指先に載せ、カメラ目線で睨みをきかせる独特のポーズを、SNSを通じて発信する渡辺さん。「先代から現在の店を受け継いでしばらく、居酒屋要素の強い運営だった。お客さまの前にすしを並べてもすぐには食べてもらえず、(あのポーズは)苦肉の策でもあった」と振り返る。

 今年8月、1カ月以上滞在したニューヨークで腕を振るった渡辺さん。「12月から再度ニューヨークに招かれ、約2カ月、地元の魚などを使って現地のセレブに北九州を強くPRする」と意気込む。

 天野さんは「独立した当時、今では当たり前の『すしにカボスをかけるなんて』と批判されたこともある。江戸前が基本というのは変わらず、中華料理に四川料理や広東料理があるように、それぞれの土地で『深化』したすしが提供されることが理想」と話す。

 成澤さんは「日本ではまだそこまで言われていないが、世界の料理人にとって『食のサステナビリティ』は緊急課題。海水温の上昇によって、以前取れていた魚が取れなかったり、1キロの牛肉を育てるためにその数十倍の牧草を必要としたり、生産現場にまで及ぶ課題だ」と危機感を募らせた上で、「九州は、魅力的な食材が豊富であることや一流の料理人が揃っているという点で独立している。世界中から観光客を呼べるポテンシャルを備えているが、情報発信がまだまだ足りない」とも。

 イベントを主催した市観光課の担当者は「国内だけでなく海外からもお客さまが多数訪れる市内の有名店の、思いや課題などを生産者や飲食店主らと共有することで、地域全体の食の魅力を高めていきたい」と期待を込めた。

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