「まつり企業祭八幡2024」が11月9日・10日、八幡東区中央町一帯で行われる。
1901(明治34)年11月に「官営八幡製鐵所(現・日本製鐵)」が創業を記念して行った「作業開始式」がルーツの同イベント。1985(昭和60)年から、関連企業や地元企業で組織する実行委員会主催の地域イベントとして開催されている。
両日、「大谷球場」(北九州市八幡東区大谷1)をメイン会場に、周辺の「レインボー広場」(中央2)や「東田大通り公園」(東田2)、山手通りなど中央町エリアで、ステージショー、露店、ダンスコンテスト、パレードなどを展開。毎年約60万人が来場しにぎわうことで知られている。
今回は、資金難により打ち上げ花火実施が中止の危機に追い込まれていたが、9月3日、急きょ行われることとなった。
同イベント事務局で八幡東区総務企画課係長の佐藤全さんは「(花火打ち上げの)資材や人件費高騰、実行委員会の資金集めも上積みが難しいことから、今年の花火打ち上げは実施困難だった。クラウドファンディングで資金支援を呼びかけたが、終了間際、250万円の目標額に対して20%未満の達成率だったため、中止の文字が頭をよぎった」と話す。
クラウドファンディングはその後、目標額を達成し、一転実施となった。理由は、「伊藤油化工業所」(戸畑区沢見1)社長の伊藤知子さんが、多額の支援をしたため。佐藤さんは「何かの操作ミスでは?」と、確認のために同社を訪れたという。「祭りを締めくくるフィナーレの花火だけに、中止はどうしても避けたかったが、想像を超える多額の支援に驚いた」と振り返る。
伊藤さんは「先代社長の父から事業を受け継いで約10年、何か地域に還元できることはないかと考えていた時に、花火打ち上げプロジェクトのことを知り、(終了間際に)達成額に届いていなければ、その差額を出そうと思っていた。子どものころ、両親や妹と手をつないで行った、焼きしいの実やギンナンを食べた懐かしい思い出のあるお祭りに貢献できてうれしい」と笑顔を見せる。
花火打ち上げは大谷球場で11月10日19時45分から行う予定。