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小倉の書道家・栗原光峯さん、パリ「サロン・ドートンヌ」で大書披露

パフォーマンス中の栗原光峯(こうほう)さん

パフォーマンス中の栗原光峯(こうほう)さん

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 書道教室「和樂書院」(北九州市小倉北区金鶏町)を主宰する書道家の栗原光峯(こうほう)さんが10月30日、フランス・パリ中心部のコンコルド広場で開催されたアート展「サロン・ドートンヌ2025」で大書パフォーマンスを披露した。

「Presavere la mer(海を救え)」

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 同展は、1903(明治36)年に創設されたフランスを代表するアートサロンで、今年で122回目を迎える。創設当初からセザンヌ、マティス、ピカソらが出展し、20世紀初頭の芸術革新を象徴する場として知られる。1905年(明治38)にはマティスらの出品で「フォービズム(野獣派)」が注目を集め、近代美術史に名を刻んだ。

 今年は「海洋保全(Cap sur la mer, cap sur le monde)」をテーマに開催。世界各国から約1000人のアーティストが招聘(しょうへい)され、絵画や彫刻、映像作品などが展示された。日本からは「欧州美術クラブ」の取りまとめにより、絵画を中心に200人以上が参加した。

 栗原さんは、幅5メートル、縦1.5メートルの大型の和紙3枚に、「侘(わ)び寂(さ)び」「舞」「海」をテーマにした書を披露。筆を大きく走らせながら、墨の濃淡や余白の美で日本文化の精神を表現した。

 パフォーマンスを終えた栗原さんは「世界中の素晴らしいアートにあふれた空間で、フランスの人々に書を披露する貴重な機会を得た。1時間のパフォーマンスは、好奇心旺盛なパリの方々に見つめられた特別な時間になった」と振り返る。

 栗原さんは現在、仏トゥルーズでも書道教室を主宰し、現地の生徒約30人に筆の扱いや和紙、墨の文化を教えている。「トゥルーズの生徒たちは、日本語を書くだけでなく、書の奥にある心の静けさや集中を学ぼうとしている」と話す。トゥルーズ教室の生徒数人が観覧に訪れ、現地での応援が力になったという。「小倉とトゥルーズ、そしてパリをつなぐ文化交流をこれからも続けたい」とも。

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