門司で乾燥土人形の制作を手掛ける「門司ヶ関人形工房」(北九州市門司区大里新町、TEL 093-371-0488)で現在、来年の干支(えと)である「辰(たつ)」の人形作りが最盛期を迎えている。目標とする出荷数は1000体。
同工房で作られる人形は、型を取らず全て手作りされる乾燥土人形で、「焼き物の人形にはない、手触りや個性的な形が魅力」という。辰の人形(1,000円)は体長約4センチ。
工房を主宰する上村誠さんはディスプレーデザイナーの傍ら、戦後から「門司ヶ関人形」の名称で手作りされてきた親指大の土人形を受け継ぎ、干支やひな人形、招き猫など縁起物を手作りしてきた。「10年ほど前に開いた展示会で、新聞各社に『門司ヶ関人形が復活』と報道され、背中を押された」と、人形づくりを専業としたきっかけを話す。
上村さんは「この時期になると干支ばかり作るが、どれも個性的な顔になるように一つひとつ手間暇かけている」と人形制作への思いを話す。「時々やってくる『こういう人形を作ってくれ』という個別のオーダーも楽しみ」とも。
北九州市内では、淡島神社や旧門司三井倶楽部(以上、門司区)で販売するほか、伊勢神宮内宮の参道の土産店で扱う。