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小倉の老舗和菓子店、端午の節句前に「かしわ餅」の製造準備に追われる

よもぎ餅と白いお餅がある。よもぎの色がとても濃い。かしわの葉ではなく、がめの葉を使う。

よもぎ餅と白いお餅がある。よもぎの色がとても濃い。かしわの葉ではなく、がめの葉を使う。

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 端午の節句を前に、小倉の和菓子店「お多福餅本舗」(北九州市小倉北区白銀2、TEL093-931-7917)が名物「かしわ餅」の製造準備に追われている。

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 1909(明治42)年創業の同店では、毎年こどもの日前の連休は店先に「かしわ餅」を求めて長い行列ができる。

かしわ餅に使われるヨモギの葉は全て国産品。店を受け継ぐ5代目西村嘉孝さんは、毎年3月下旬~4月10日前後に数百キロのヨモギの葉を県外まで摘みに行く。1年間に使う量は手摘みの量だけでは賄えず、信頼のおける国産業者からも一部を仕入れているという。新鮮なヨモギの葉をたっぷり使ったかしわ餅は色も香りも濃く、創業以来店の看板商品となっている。

 手づきの餅つきにこだわる同店では、手づき餅つき機械が1963(昭和38)年から今も変わらずフル稼働している。つかれた餅に餡(あん)をくるんだ後、さらにもう一度蒸し器で蒸す作業は「よその店にはないひと手間でうち独自のもの。創業以来変わらず、ずっと守り通している」と西村さん。新鮮さにこだわっているため、作られた当日が消費期限。

 餅を包む葉は柏の葉でなく、九州のこの地域で昔からかしわ餅に使われてきたがめの葉(サンキラ)を使う。関東・関西では柏の葉が主流だが、北九州で古くから使われてきたがめの葉は香りが良いため、餅の味とともに葉の香りも楽しめるという。

 価格は1個120円。営業時間は6時~18時。5月3日~5日には、コレット(北九州小倉北区京町3)地下1階でも販売する。

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