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いのちのたび博物館でエビ・カニの博物画展-元円谷プロの博物画家が描く

杉浦千里さんによるニシキエビ(雄)の博物画。虫眼鏡で細かく観察できる

杉浦千里さんによるニシキエビ(雄)の博物画。虫眼鏡で細かく観察できる

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 北九州市立いのちのたび博物館(北九州市八幡東区東田2、TEL 093-681-1011)で現在、「エビとカニのふしぎ 杉浦千里博物画の世界」が開催されている。

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 杉浦さんは神奈川県出身の博物画家。円谷プロダクション在籍中に多くの怪獣のデザインを担当したことで知られる。独学で甲殻類の博物画制作に取り組んだが、2001年に39歳で亡くなった。会場では生前に描かれたエビ・カニの細密な博物画に加え、巨大な実物?製、生きたエビ・カニ、毒ガニ、希少なカニなどを見ることができる。

 作品は、生物の標本を基に細部まで精巧に描画。色彩鮮やかなニシキエビをはじめ、トラフカラッパ、シマイシガニなど節目や爪先まで再現された博物画など約100点を公開。ヒラツメガニの精密画制作過程に杉浦さん自ら写真や解説を加えた貴重な資料も展示している。

 博物館ゾーンでは、世界で最も重いタスマニアオオガニや世界一大きいアメリカンロブスターの実物剥製約300点を展示。熱水に生息し、陸上の生物とは異なる生態を持つ珍しいオハラエビも紹介されている。エビのはさみについて、カニではないカニ、毒性を持つカニ、甲殻類と節足動物の違いなど、さまざまな視点から解説する。

 水族館ゾーンでは、北九州に生息するエビやカニ約20種を紹介。北九州高校の魚部による「川のエビたちの多様性」では生きたエビに手作りの解説や紹介文を用いたユニークな展示となっている。「一般的にエビやカニといって思い描くのは食用のものが多い。あまり知られていないエビやカニの実態を知ってほしい。ヤシガニのように博物画・標本・生体という複数の展示方法で紹介するものもある。これらを見比べることで、より多くの発見を楽しめるのでは」と同館学芸員の下村さん。

 期間中の土曜・日曜・祝日にタッチプールも開設。専門家による解説を聞きながら、生きたカニやヒトデ、ナマコなどに触れることができる。時間は11時~12時、14時~15時の1日2回。

 開催時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入場料金は、大人=300円、高・大生=200円、小・中生=100円。5月31日まで(会期中無休)。

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