プレスリリース

東陶(遼寧)の新工場が稼働開始

リリース発行企業:TOTO株式会社

情報提供:

TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:田村 信也)のグループ会社である東陶(遼寧)有限公司[以下東陶(遼寧)、本社:中華人民共和国遼寧省大連市、総経理:井野 雅之]は、2025年5月21日(水)から衛生陶器の生産を開始しました。

東陶(遼寧)は中国大陸市場向けに高品位な腰掛便器を供給することを目的に、2023年3月から工場建設を開始しました。TOTOグループの海外工場初となるローラーハースキルン[※1]の導入をはじめ、腰掛便器の生産効率・エネルギー効率を最大限に高めることに特化した最新鋭の生産設備を備える工場です。

中国大陸における衛生陶器のもう一つの生産拠点である東陶(福建)有限公司[以下東陶(福建)、本社:中華人民共和国福建省?範州市、総経理:麻生 武]は、東陶(遼寧)と同様に最新鋭の生産設備を備えた第2工場が2021年8月から稼働しています。東陶(福建)第2工場には、小便器やワンピース便器など大型の衛生陶器も焼くことができる窯を備えており、第1工場(2014年7月稼働)とあわせて、中国大陸市場で需要がある多種多様な衛生陶器を生産することができます。

TOTOの中国大陸事業は、急速な市場変化への対応遅れに伴う業績悪化を踏まえ、同事業を立て直し、継続していくための構造改革を断行しています。構造改革の一つとして2025年4月、東陶機器(北京)有限公司(1997年稼働)および東陶華東有限公司(2004年稼働)での衛生陶器の生産を停止しました。今後は、東陶(遼寧)および東陶(福建)の2拠点体制で、中国大陸市場向けの衛生陶器を最新鋭の生産設備で生産・供給していきます。2拠点を合わせた生産能力は、約265万ピース[※2]/年となります。

「その国・地域のTOTOになる」をめざし、中国大陸市場にTOTOが進出して今年で40年[※3]となります。この間、地元政府、現地パートナー企業の支援のもと、中国大陸の社員と共にTOTOブランドを築き上げてきました。これからもTOTOは、「きれいと快適・健康」「環境」を両立したTOTOらしい商品「サステナブルプロダクツ」により豊かで快適な暮らしの実現に貢献し、中国大陸の皆様に必要とされる企業であり続けます。

※1:回転するローラーに製品を載せて焼成窯の内部を移動させる方式 ※2:衛生陶器を数える単位 ※3:1985年2月、北京駐在員事務所を開設 


東陶(遼寧)の新工場(2025年5月21日稼働)

東陶(遼寧) 新工場

海外初導入のローラーハースキルン


東陶(福建)第2工場(2021年8月稼働)

多様な衛生陶器を焼成できる最新鋭の窯
















 東陶(遼寧):生産設備の特長

ローラーハースキルン ※TOTOグループの海外拠点で初導入

TOTOグループの海外拠点として初めて導入された東陶(遼寧)のローラーハースキルン
東陶(遼寧)の焼成窯には、TOTOグループの海外拠点初となる「ローラーハースキルン」を導入します。

ローラーハースキルンは、高比剛性セラミックスのローラーを回転させ、焼成栃(とち)[※4]に載せた製品を自動搬送させる窯です。

腰掛便器の生産に特化した東陶(遼寧)では、生産効率・エネルギー効率共に最適であるため採用しました。

なお、同タイプの窯は、日本国内のTOTOグループの工場でも数多く採用しています。



※4:衛生陶器を載せる板材

参考:トンネル窯について工業製品である衛生陶器は、生産効率の観点から全長約100~120メートルのトンネル窯で焼成されます。

中央付近が最高温度(約1200℃)となるように窯内部の温度が調整されており、入口から出口に向かって約15~24時間かけて製品を搬送させることで焼き上げます。



トンネル窯の概要

 東陶(福建):生産設備の特長

トンネルキルン(ダブルデッキ)
東陶(福建)では、腰掛便器だけでなく、タンクと便器が一体になったワンピース便器や小便器のように高さのある製品など、多種多様な衛生陶器を生産します。

そのため、東陶(福建)では東陶(遼寧)より間口が大きいトンネル窯を導入。搬送方式として、トロリー台車に製品を載せて、台車自体を入口側からプッシャーで搬送するタイプを採用しています。



東陶(福建)第2工場に導入されている最新鋭の焼成窯


 東陶(遼寧)・東陶(福建):共通する特長

最新の高断熱窯
旧来の焼成窯は耐火煉瓦で窯内を構成しており、バーナーで煉瓦を加熱し、高温になった煉瓦の輻射熱で間接的に製品を加熱する方式でした。煉瓦自体へ蓄熱させるためエネルギーロスが多く、窯内温度の微調整がしにくいといった課題がありました。

東陶(遼寧)および東陶(福建)の焼成窯は、バーナーで窯内部を直接加熱する方式です。窯の内壁と天井は高断熱素材であるセラミックファイバーまたは軽量断熱煉瓦で覆われており、窯外部への放熱を抑制しています。また、冷却過程で温められた空気のバーナー用燃焼空気としての回収や、窯廃熱の再利用などで燃料削減も図っています。このため、旧来の焼成窯に比べてCO2排出量を大幅に削減[※5]でき、窯内温度の微調整も容易に行えます。

※5:TOTOサニテクノ小倉工場の旧窯(2022年稼働停止)に比べ、東陶(遼寧)の窯は約70%、東陶(福建)第2工場の窯は約30%のCO2排出量削減

2次元コードによる個体識別
約1200℃の高温にも耐えられる2次元コードにより、全製品を個体識別しています。

製造過程のあらゆるデータと紐づけられており、ビッグデータ分析による生産技術の向上などに役立てています。





RO設備で水資源再利用
衛生陶器の生産には多くの水を使います。RO膜(逆浸透膜)により、水以外の不純物を透過させない設備を導入し、処理した水の一部を生産工程や工場内のトイレの洗浄水として再利用し、排水原単位も向上させています。




  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース