株式会社グリーングロース(以下、「グリーングロース」)は、FIT太陽光発電所のFIP転換・蓄電池併設および系統用蓄電池に関する、事業開発、運用・アグリゲーションサービスを提供しております。
その第1号案件として、株式会社かがし屋(福岡県うきは市、以下、「かがし屋」)が保有する「大分県日田市1,786kW太陽光発電所」における、FIP転換・蓄電池併設支援および運転開始後の運用を受託することになりました。本発電所は、2025年6月の着工、2026年1月の運転開始を計画しております。
かがし屋 日田発電所
■FIP転換・蓄電池併設事業の背景
FIT制度の開始以降、再生可能エネルギーが急速に普及しました。その一方、昼間の電力余剰の増加やJEPX卸電力市場価格の変動幅の拡大といった課題が顕在化しています。
再エネ電源を保有する発電事業者にとっては、電源設備に対する出力制御と売電収入の減少が問題となっております。全国において増加傾向にありますが、特に九州電力管内での制御が多く、2024年度は再生可能エネルギー全体で9.7億kWh・6.2%の出力制御が発生と見込まれています*。
一方で、2022年度より、再エネ電源の電力市場への統合・需給の均衡を目的としたFIP制度がスタートしており、アグリゲーター等を通じた需給調整や、蓄電池の活用による出力制御の回避等が期待されております。
*出所:九州電力送配電(株)「2025年度出力制御見通しについて」(2025年1月23日)
■FIP転換・蓄電池併設による収益最大化の仕組み
本事業は、既設の太陽光発電所をFITからFIPに転換して蓄電池を併設することで、発電事業者の収益向上を図るビジネスモデルとなります。
FIP制度における主な収入は、1.売電収入(主にJEPX卸電力市場)、2.プレミアム収入から構成されています。FIP制度では売電収入に加え、FIT価格を基にした基準価格と市場価格の差に応じたプレミアムが交付されます。
FIP転換と同時に蓄電池を併設することで、収益機会は最大化され、発電設備の価値はPost-FITを見据えてさらに高まります(図1)。株式会社Shizen Connectが提供する制御システムを活用して、出力制御対象の電力や市場価格が安い傾向にある昼間の電力を充電し、これを市場価格が高くなる時間帯に放電・売電するよう蓄電池の最適制御を行うことで、売電機会の損失回避と収益の最大化を同時に実現します。
図1 FIT太陽光発電所の、FIP転換・蓄電池併設による収入増加のイメージ
■株式会社かがし屋におけるご支援の概要
かがし屋が保有する「大分県日田市1,786kW太陽光発電所」においても出力制御の増加と売電収入の低下が顕著になっていたため、FIP転換・蓄電池併設を検討していました。一方、事業推進の知見・リソースが同社に不足している中、グリーングロースが、導入から運用・アグリゲーションまでを一気通貫で支援することとなりました。
導入フェーズでは、かがし屋と伴走する形で、事業全体を統括してスキーム形成をリードします(図2)。蓄電池運転開始後は、アグリゲーターとして蓄電池の充放電制御・市場取引・需給管理を行う形で、蓄電池併設型太陽光発電所の円滑な運用と収益の最大化に貢献します(図3)。
図2 蓄電池導入時の事業開発体制
図3 蓄電池運転開始後の体制
■株式会社かがし屋・半田剛志社長からのコメント
再エネ導入が進む中、当社が保有する太陽光発電所でも出力制御の増加と収益性の低下が大きな課題となっていました。
グリーングロースから、電源設備の価値向上を目的とした、FIP転換と蓄電池併設の提案を受け、その構想力と実行力に期待して今回の取り組みに踏み出しました。企画・開発からEPC、運用までを一括で支援いただけることで、事業者として大きな安心感を得ています。
本取組を、筑後地域のカーボンニュートラルを牽引する第一歩と位置づけ、再エネ電源の価値向上と地域経済の活性化の両立を目指してまいります。
■今後の展望
グリーングロースは、本案件を皮切りに、FIT太陽光発電所のFIP転換・蓄電池併設事業をまずは九州電力管内で拡大させながら、発電事業者・地域企業との連携を深める中で事業モデルをアップデートし続けます。当事業を通じて、電力市場における需給調整と再エネ電源の普及に努め、ひいては経済の強靭化とエネルギー安全保障の向上に貢献してまいります。
【案件概要】
■株式会社グリーングロース 会社概要
- 会社名: 株式会社グリーングロース
- 理念:「次世代のインフラをつくる」
- 設立:2022年4月22日
- 所在地:
(東京)東京都千代田区神田三崎町3丁目5-9 天翔オフィス水道橋7階701号室
(福岡)福岡市中央区大名2丁目6-11 Fukuoka Growth Next
- 代表者:代表取締役 河野淳平
- 事業内容:蓄電池事業開発支援事業、蓄電池運用・アグリゲーション事業
- 所属団体:
一般社団法人再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(REASP)
一般社団法人エネルギーリソースアグリゲーション事業協会(ERA)
一般社団法人再エネ推進新電力協議会(REAP)
- 保有ライセンス:登録小売電気事業者、特定卸供給事業者、非化石価値取引会員
- WebサイトURL:https://greengrowth.co.jp/
■お問い合わせ先
【事業・協業に関するお問い合わせ】
担当:市川
e-mail:gg-sales@greengrowth.co.jp
【採用に関するお問い合わせ】
担当:福永
e-mail:gg-hr@greengrowth.co.jp
(募集職種:法人営業・事業開発/プロジェクトマネージャー/技術マネージャー/ファイナンスマネージャーほか)
【本件・その他のお問い合わせ】
担当:福永
e-mail:gg-pr@greengrowth.co.jp