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米・ノーフォークで希少「新版画」見つかる、54年前に門司市長が寄贈

Kawase Hasui, Japanese, 1883-1957
Pagoda at Honmon Temple, Ikegami, 1954

Kawase Hasui, Japanese, 1883-1957 Pagoda at Honmon Temple, Ikegami, 1954

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 北九州市の姉妹都市、米・バージニア州ノーフォーク市の「クライスラー美術館」は3月24日、1961(昭和36)年に門司市(現門司区)市長・柳田桃太郎さんが送った版画16点を初公開した。

作品群を発見したアレックス・マンさん

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 同市やワシントンDCで行われた「桜フェスティバル」に合わせたもので、姉妹締結をした経緯や、柳田さんの略歴などとともに「Gifts from Japan - Landscape Woodblocks in the Shin-Hanga Style」(日本からの贈り物、新版画様式の風景木版画)展として紹介している。

 54年前にレセプションに訪れた柳田さんが寄贈した「新版画」で、同館キュレーターのアレックス・マンさんが昨年10月、同館改修中に所蔵庫で偶然見つけた。「これらの作品群に魅了された。作品の由来などの資料が不足していたが、当時の新聞を調べ、多くが『川瀬巴水』作品であることが分かった」といきさつを話す。「アメリカの美術館の多くがかつての日本作品を探しているが、希少価値の高いこれらが、私たちの美術館をこの分野のリーダーの地位に押し上げた」とも。

 川瀬巴水は「衰退した日本の浮世絵版画を復興すべく、新しい浮世絵版画である『新版画』を確立した人物」とウィキペディアでは紹介されている。同館のウェブサイトでは「浮世絵商の渡辺庄三郎とともに『新版画』を提唱し、当時の町並みや寺院、農作業の一こまなどノスタルジックな描写を通じて浮世絵の伝統を復活させた」と説明している。

 館長のエリック・ニールさんは「(美術館は)いろいろな作品を寄贈していただいた皆さんとの強い信頼関係の上で成り立っている。長く続く日本との友情への感謝をしたい」と話す。

 観覧無料。公開は7月26日まで。

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