小倉の「辻利茶舗」(北九州市小倉北区魚町1、同3)が4月から焼き菓子専用の厨房(ちゅうぼう)を整備し、自社製造スイーツのメニュー拡充を図っている。
約20年前に父親から経営を引き継いだ辻利之会長は、1990年代初頭に「地方都市の人口が減ること、ペットボトルのお茶が台頭すること、お茶の市場規模そのものが縮退すること」を予見し、1993年から自店内にカフェを併設した。女性客を中心とした若年層に「日本茶のおいしさや、周辺の文化」を訴えている同店。周辺の女子高生を中心に「辻利に行くことを『つじる』という言葉も生まれた」という。
約5年前から、市内のスイーツ店とコラボしてお茶と一緒に楽しめるスイーツの提供や、バレンタインやクリスマス向けの商品を開発している。昨年経営を引き継いだ辻史郎社長は自店内に業務用オーブンなどの厨房機器を導入し、「九州ビジネス専門学校」(大門1)製菓コースや卸業者などの協力を得て、抹茶やほうじ茶を使ったシュークリームやプリン、シフォンケーキなど12アイテムを開発した。
辻社長は「先代社長が日本茶専門店からカフェ併設店に業態転換し、自分がさらに自社製スイーツ提供店へと業態転換を図る」と意気込みを見せる。スイーツの販売目標は年間1,000万円を掲げる。
主なスイーツメニューは、「小文字シュークリーム」(180円)、「とろけるプリン」(カスタード・抹茶・ほうじ茶、各230円)、「やわらかシフォンケーキ」(抹茶・ほうじ茶、各700円)、「濃厚チーズタルト」(1,620円)、「シュガーロードカステラ」(1,296円)など。
営業時間は10時~20時(カフェは11時~)。