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八幡の老舗しょうゆ店「ごとう醤油」、地元小売りから業態転換で全国販売へ

東京農大醸造学科を卒業後、3年間の修業を経て同社を引き継いだ五嶋さん

東京農大醸造学科を卒業後、3年間の修業を経て同社を引き継いだ五嶋さん

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 八幡・日の出町の「ごとう醤油」(北九州市八幡東区日の出町1、TEL 093-671-1171)が販売する「旬の野菜ドレッシング」の売上額が今年、同社売上総額約5,000万円の半分を超えた。

枝光本町商店街にほど近い住宅街に位置するごとう醤油

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 1911(大正2)年創業の同社。4代目当主の五嶋隆二さんは大学農学部を卒業後、福島県のみそ製造業者で3年間修業し、約11年前に帰郷。「しょうゆを一升瓶で近所の個人宅や商店に配達する昔ながらの」同社の経営を引き継ぎ、「小売り」を中心として地元客に愛されるしょうゆ作りに励んできた。

 「小売りだけでも経営は安定していたが、さらに伸ばすには卸売りできる商品を開発し、業態転換が必要」と判断し、4年前、知り合いから紹介された小倉南区のトマト農家と共に「完熟トマトドレッシング」を開発した。「通年収穫できると思っていたトマトが、実は夏場だけの収穫」と聞き、商品の安定供給をするために、トマト農家から紹介された「ジャンボピーマン」農家、「原木しいたけ」栽培農家や漁業関係者らと次々と開発を続けた。10種にまで増えたシリーズ商品は、全国のデパートやホテル、飲食店に出荷している。

 五嶋さんの取り組みは、県や市の産業振興や農業振興関係部署も着目し、「福岡県産業デザインアワード」受賞や「北九州市食品ブランド開発『滋味五州』」参画などしてきた。雑誌「DANCYU」が主宰するイベント「運命の調味料を探せ!」にも出店するなど、各地でのPRにも余念がない。

 「これまで試した中には、喉を通らないほど組み合わせのあり得ない野菜もあった」と振り返りながら、「今後もドレッシングに合う地元の素材を探していく」と抱負を話す。

 「旬の野菜ドレッシング」は、「完熟トマト」「ジャンボピーマン」「あかもく」「合馬たけのこ」「新たまねぎ」「熟成しょうが」「原木しいたけ」「金時にんじん」「大葉春菊」「蔵元酒かす」(100ミリリットル410円~)の10種。同社店頭のほか、「小倉井筒屋」(小倉北区船場町)、「コレット」(京町3)など各地のデパ地下などで購入できる。

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