門司港の「出光美術館」(北九州市門司区東港町)が建て替え工事のため展示室を「旧大阪商船ビル」(港町)2階に移転し、4月24日から企画展「仙がいと九州の茶陶」が始まった。
江戸時代に「聖福寺(しょうふくじ)」(福岡市博多区)の住職だった仙がいが遺(のこ)した禅画33点と「古唐津」や「高取焼」の茶陶器14点を展示している。仙がいは、禅の境地をわかりやすく説き示すユーモアに富んだ愛らしい禅画を多く遺したことで知られ、国内最大約1000点の仙がい作品を所蔵する同館は、数年に一度のペースでテーマや見方を変えて展示している。今回は「禅の教え、禅の生き方」「茶禅一味」「仙がいと九州」「仙がいの画境」をテーマに5つのコーナー分けをした。
「(出光興産の創業者である)出光佐三さんが、福岡市商業学校(現・福岡市立福翔高等学校)に通っていた時に、仙がいの書画に見ほれて父に頼んで買ってもらった1枚がきっかけでコレクションが始まり、その後の美術収集や美術館開設までのきっかけにもなっている」と館長代理の佐々邦昭さん。
出光佐三さんの長男で出光興産名誉会長を務める出光昭介館長は「建て替える美術館は門司港に似合う赤レンガづくりにする」と話した。美術館の完工は来年秋を予定する。
開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は、一般=600円、高大生=400円、中学生以下無料。6月21日まで。