小倉の洋菓子店「パティスリー ボヌール」(北九州市小倉北区真鶴2、TEL 093-592-5066)と小倉第一病院(同)が共同開発し、2013年から販売している糖尿病患者向けロールケーキ「ココロール」に抹茶味が加わり、10月19日に販売を開始した。
小倉第一病院の中村秀敏院長(後列中央)と管理栄養士のスタッフ
一昨年、糖尿病患者でも甘いお菓子を食べたいというニーズがあることに着目し、同院院長の中村秀敏さんと管理栄養士、同店店主の村瀬雄一郎さんとで試作を重ね、小麦粉の代わりに大豆粉、砂糖の代わりに人工甘味料などを使い、カンテンの一種を使うことで生クリームの舌触りを再現したロールケーキを開発した。
当初「プレーン」味のみだったが昨年「ショコラ」を開発、さらに「バリエーションを増やしてより多くの患者さんや糖尿病予備軍の方に楽しんでもらいたい」と、同病院の管理栄養士らが抹茶味の開発を思い立った。通常のレシピで作るロールケーキと比較して、「糖質量を約80%以上削減した」という。
「大豆粉の青臭さを消し、小麦粉のようなふんわりした食感にし、抹茶の独特の苦味を残しながら低糖質のクリームに仕上げる」独自の製造法を編み出したという村瀬さん。「各地のお茶産地から10種以上の抹茶を取り寄せ試作し、最終的に香りの強い『宇治抹茶』を使っている」とも。
中村院長は「予備軍も含めると人口の約1割は何らかの形で糖質制限が必要」といい、ロールケーキ以外のスイーツ開発にも乗り出した。管理栄養士の吉永雅士美(まさみ)さんと中村美穂さんは「この取り組みがほかの店にも広まってほしいが、個店で取り組むのは難しい。現在はパウンドケーキの開発をしている。新しい提案を続けていきたい」と抱負を話す。
価格は、ロング(約16センチメートル)=1,890円、カット=315円。同店で販売。購入者の先着200人限定で「病院オリジナルノート」を進呈する。