小倉の勝山自動車(北九州市小倉北区米町1、TEL 093-521-2735)が、桜の満開時期に向けて3月から始めた、乗客に花びらのシールを貼ってもらう参加型イベント「ぺたぺたタクシー」の桜が「見頃」となっている。
同社のタクシー136台中4台を「ぺたぺたタクシー」に設定し、乗客は「1回の乗車で3枚までのシールを車体に貼れる」というルールを、同社の若手社員が企画立案し運用を始めた。「病院の行き来などに乗車する高齢者のお客さまが多く、暗い話題になりがちな車内も、このイベントで明るい雰囲気になる」と、担当した田中好孝さん。
田中さんは4年前、社長の廣石敏文さんが「タクシー業界も若返りを」と新卒で採用した「新卒採用1期生」の一人。「乗務員はみんな個人営業のようなものだが、こうした取り組みを若手と年長者で行い連帯感や責任感を育んでいきたい」と企画の意義を明かす。
「ウーバーや自動運転の普及など、タクシー業界を取り巻く環境は年々厳しくなるが、タクシーにおける『商品』は移動だけではない。安全や乗務員とのコミュニケーションなど、もっと『人』に投資するべき。飛行機に乗る時のような高揚感をタクシーにも感じてもらいたい」と期待を込める。
「小倉城の桜も満開を過ぎ、タクシーのシールもそろそろはがす時期。跡が残らないようにきれいにはがせるか不安」と苦笑する廣石さん。