北九州出身のシンガーソングライター・櫻さんのブログで紹介された「スターフライヤーの神対応」というエントリーが、米・ユナイテッド航空の「乗客を引きずり降ろした」ニュースと比較されツイッターやフェイスブックで話題になっている。
櫻さんは3月、母親の遺影をスターフライヤーの機内に手荷物として持ち込んだところ、キャビンアテンダントから座席上の収納に入れるか足元に置くように勧められた。それが母親の遺影であることを明かしたところ、「お客さま、このたびはお悔やみ申しあげます。先程は大変失礼なお願いをしてしまって申し訳ありませんでした。もしよろしければ隣のお席が空いておりますので、お客さま(母親の遺影)にも座席に座って景色をご覧になっていただいてはいかがでしょう?」(ブログ原文ママ)と声を掛けられ、感激したことをつづっている。母親は、東日本大震災のボランティア活動からの帰りに亡くなったことも明かしている。
一方、米・ユナイテッド航空は4月9日、シカゴから飛び立とうとした3411便がオーバーブッキング(過剰予約)で、乗客4人に便の振り替えを要請したところ、アジア系の男性乗客1人が応じず、空港警察によって座席から引きずり降ろされた映像が世界的なニュースになった。
櫻さんは「(ユナイテッド航空の)乗客を単に物扱いしたような対応に非常に驚き、悲しい気持ちになった。スターフライヤーは、私の地元北九州が本社の航空会社で、『目の前のお客さまにとって、最高のおもてなしとは一体何か』という誠意を、一人一人のスタッフが心に持ち、マニュアルだけでない創造性豊かなサービスを提供する会社だからこそ、『母の遺影を床に置きたくない』と相談した私の心に寄り添って、最善のおもてなしをしてくれたのではないか」と話す。
「今回感じた『人は人とのつながりの中で生きて、生かされているのだ』という大切なことを、今後の歌手人生のテーマの一つとしていきたい」とも。
スターフライヤーの広報担当者は「ブログに書かれていたことは事実で、現場のクルーが機転を利かせた。このことを含め、お客さまに喜ばれた事例などは社内全員で情報共有している。今後も、どういうサービスが喜ばれるのか常に考えていきたい」と話す。