「北九州空港」(北九州市小倉南区空港北町)に4月25日、世界最大級の貨物輸送機「アントノフ」が飛来している。同機の飛来は一昨年6月に続く3回目。
【動画ニュース】北九州空港に世界最大級の貨物輸送機「アントノフ」
積載してきたのは、米国「ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ」社製の固定翼無人機「MQ-9ガーディアン」で、5月から壱岐対馬(長崎県)近海上空を飛行し、海洋観測や海難救助の支援などの実証実験を行う予定。北九州港から海路で運ぶという。
アントノフ(An-124)は、1970年代の旧ソ連時代に軍事物資輸送を目的に開発された貨物機で、「航空輸送業界では747ジャンボジェットに積めないものは、これで輸送するのが定番」と、現場の輸送会社関係者。
同無人機は、アメリカ軍が保有する攻撃型無人ドローン機の「RQ-1プレデター」などと形状が酷似しており、積み下ろしの過程でその姿をカメラに収めようとする、マスコミ数社や航空ファンら約10人がフェンス越しに見守ったが、コンテナなどに収納され、その姿を見ることはできなかった。
空港関係者によると「(飛来情報は)マスコミや一般に全く知らせていないにもかかわらず、見物客がいることが不思議」と不審がっていた。現場に居合わせた30代の航空ファンは「旧ソ連の貨物機がアメリカ軍の機材を運んでくるという、皮肉のような稀な機会に立ち会えた」と笑顔で話した。
「アントノフ」は、27日まで同空港の5~7番スポットに駐機し、空港来場客は展望デッキからその堂々たる姿を見ることができる。