平尾台のカフェ「ひつじCafe HIRAODAI」(北九州市小倉南区平尾台1)で店長を務める西中あかねさんが4月、周辺のハイキングコースを歩くツアーガイドを始めた。
平尾台ハイキングの定番コース「天狗岩」から眺める景色(行橋市方面)
3億年以上かけて出来たカルスト台地の歴史や、約200カ所のドリーネ(すり鉢状窪地)、「天狗岩」や「鬼の唐手岩」などの巨大奇石、自生する植物や野生の動物、遠くから見ると羊の群れのように石灰岩が点在する「羊群原(ようぐんばる)」の魅力などを、「平尾台開拓団の子孫で、平尾台生まれ平尾台育ち」という夫の甲児さんと共にガイドしながら歩く。
約20年前の高校生時代に平尾台の魅力に触れ、登山をするようになったというあかねさん。「一人山岳部としてたくさんの山歩きをした。より遠くへ、より高く登るようにもなった。仏・シャモニーなど海外でのロングトレッキングも経験したが、自然の神秘に触れ、自分の命も地球に生かされていることを知るのには、すぐそばにある山で十分」と平尾台の魅力を再認識したという。甲児さんとの出会いや結婚を経て平尾台に住み着き、現在は披露宴の司会業のほか、隣接する民泊施設「山の家 粋邑(いきむら)」(同)の管理・運営もこなす生活を送っている。
あかねさんは「(平尾台の)草木や岩石、洞窟や微生物の美しさや素晴らしさは、言語化してくれる人がいなければ広く知られることもなく、放っておけば真の価値を認識されないまま。もしかしたら、それらを守ろうとする人がいなくなるかもしれない。私たちがその役を担っているのかもしれないと思い至った」と話す。任意団体「地球のかけらHIRAODAI」を立ち上げ、ハイキングのほかにも清掃活動や鍾乳洞ケービング、沢登り、求めに応じての個人ガイドなどを計画する。
カフェは、司会業の仕事やイベントが入っていない週末のみ営業。営業時間は11時~14時30分(ラストオーダー)。ハイキング参加費は3,000円~。店舗営業日やイベント開催スケジュールはフェイスブックページなどで確認できる。