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小倉駅前の成人映画専門館、カレー専門店店主が事業継承、「多様性に勝機」

丸谷真一郎さん

丸谷真一郎さん

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 カレー専門店「モンゴル」経営者の丸谷真一郎さんが2月11日、JR小倉駅前の成人映画専門館「小倉名画座」(北九州市小倉北区京町2)を事業継承した。

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 丸谷さんさんによると、昭和50年代にポルノ映画専門に営業を始めたという同館。館内はピンク映画を上映する1階の「1」(約60席)と、ゲイ映画専門に上映する2階の「2」(約30席)に分かれる。入り口に掲げた男性カップルの看板は小倉の風俗の一端を紹介するビジュアルとしてこれまでさまざまなメディアに紹介された。

 丸谷さんは「約3年前に建物オーナーから運営者の引退を聞いていた。本業のカレー専門店もレトルト商品の開発などで奮闘しているが、コロナの影響もあり経営の多角化が必要と思い事業を継承した」と話す。

 「既に確立されたコンテンツ、多様性社会への流れ、体験型施設、競合の少なさ、駅近の立地などポテンシャルの高さを感じた。旅行会社のツアーで『ポルノ映画館貸し切り』など企画し、新しい価値を見いだしながら、既存のお客さまと新しい利用者のどちらの聖域も守りながら運営して収益を上げていきたい。既存客の居場所を守るために新しい収益源を作ろうと考えている」とも。

 「風俗業と思われがちだが映画館は『興行業』。建物が古く傷んでいる箇所もあるが、興行場としてお客さまに快適に、安心して過ごしてもらいたいからこそ、衛生管理に対する意識も高い。お客さまを大切にするスタッフの仕事に対する熱意にも感動した」と丸谷さん。

 「映画館前の通りは地元民でもあまり近づかないような場所だが、ノスタルジックな風景を求めて県外から観光に訪れる人は意外と多い。トレードマークの『薔薇族』看板前で写真を撮る若者も多くSNSとの相性は良い。そういった人たちは映画ではなく街並みに価値を感じているので、建物の外観や看板は死守しなければならない」と意気込む。

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