小倉・魚町銀天街の中屋興産ビル(北九州市小倉北区魚町3)で8月15日~18日、遊休不動産の利活用を提案する「リノベーションスクール」が開講され、建築を学ぶ学生や商店主など約90人が参加した。最終日の18日に行われた「最終プレゼンテーション」には約150人が詰めかけた。
北九州市主催。地元商店街や大学、日本の建築技術を世界に広めようとするHEAD研究会「リノベーション部会」が協力。昨年に続き5回目。リノベーションの第一線で活躍する建築家やまちづくりプロデューサーなどから経験や手法を座学形式で学び、地元の人々を対象としたインタビューなどフィールドワークを交えながら展開。
実際に市街地にある遊休不動産を対象に、4チームに分かれて具体的なリノベーションプランを練り上げる。前回までに提案されたもののうち「実際に事業化されたものが5~6件程度あり、現在進行中のものもある」(同研究会代表の清水義次さん)といい、4日間で現実に即した具体的な工程や収益計画まで作り上げるのが特徴。
今回の提案では「百万両ビル」(魚町2)の地下街を、ものづくりカフェにしたり飲食店起業家などに貸し出したりする計画や、「ナカノテツビル」(京町1)をバックパッカー向けの低料金ホテルにする案、女性士業向けのシェアオフィスや「北九州初」のシェアハウスの案などが提案された。
最終プレゼンテーションでは、オーナー側から「これまで他で見てきたものと変わらない」「現状の事業とのギャップが気になる」などの指摘もあったが、発表者やプロデューサー側からも加えて新しいアイデアが提案されるなど、双方向に意見が飛び交う活発なプレゼンテーションとなった。
清水さんは「回を重ねるごとにレベルが上っている。今回の案も明日からすぐに始められそうなものばかり。不動産オーナーの方々が自ら参加して小倉の町をよくしていこうとしていることが素晴らしい。北九州はリノベーションの分野で間違いなく最先端」と締めくくった。