小倉・旦過の映画館「昭和館」(北九州市小倉北区魚町4)に亡くなった俳優・高倉健さんの追悼コーナーが設置された。記帳台のほか、高倉さんと館主の樋口さんがやり取りした手紙の一部、高倉さんが文化勲章を受賞した時に記念品として近親者に配ったペンなどを展示している。
約70年前に開業した同館では、これまで「高倉健特集」を5回行ってきた。そのつど「健さんの事務所には近況も交えて報告してきた」と樋口さん。高倉さんからは、映画業界の厳しい状況を踏まえながら「自分に正直な経営を」と励まされたという。昨年、送られてきた手紙には「(昭和館に)映画を見に行かせていただくかもしれません」とつづってある。
ほかにも誕生日を祝うカードなど幾度となく手紙での交流を重ねてきた。樋口さんはそれらをコピーし、「心の支えとしていつでも眺められるよう」手帳に貼り付けている。
「(病状を知らずに)11月初めに事務所に電話して『新幹線大爆破』の上映を報告したばかり。突然のことで驚いている。できれば映画会社が落ち着いたころにまた『高倉健特集』を組みたい」と樋口さん。
「新幹線大爆破」の上映は11月22日~28日。