小倉・魚町の中屋興産ビルで8月18日~21日、小倉中心市街地の遊休不動産利活用を通じて都市の再生手法を学ぶ「リノベーションスクール@北九州」が開催された。2011年から毎年夏冬に行われ、今回で11回目。
江戸時代から続く老舗化粧品店や老朽化した長屋などの魅力を再構築する「事業計画」や、接続道路のない空き地を農地に転換する「セルフリノベーション」、まちづくりに取り組む公務員の意識改革を図る「公務員リノベーション」の3種のコース9班に分かれ、100人以上の受講生が4日間にわたってアイデアを練った。
対象物件となった化粧品店には、大手チェーンの化粧品販売だけではなく、野生のドクダミやハーブによるオリジナル化粧品「野生コスメ」の製造販売。老朽化した長屋には、タコやタケノコ、カキなど北九州の素材を生かした「ピザハウス」。タクシー会社には、運転手の情報力を生かした「ミステリーツアー」。北九州の芯の強い女性たちをテーマにしたウェブメディア「アルデンテ女子」など、具体的な事業計画を発表した。
同スクールは、国土交通省の支援を得て2011年北九州で開催したことを皮切りに、全国の同様の課題を抱えた都市に広がり、現在では約20都市、40回以上開催している。主催者の一人で「HEAD研究会」の清水義次さんは「(今回は)展開力のあるアイデアがたくさん現れた。空間を埋めることにとどまらず、事業スキーム自体を提案している。北九州のリノベーションスクールが各地のスクールのベンチマークを少しずつ底上げしている」と締めくくった。
期間中、スクールの提案がきっかけでアーケードを取り払った「魚町サンロード商店街」のリニューアル記念イベントも行われ、商店街近隣に住む子どもたちによる「キッズファッションショー」や、商店街のブティックや和装店、美容室が衣装やヘアメークを提供した「ファッションショー」も開かれた。