小倉魚町の老舗日本茶店「つじり」(北九州市小倉北区魚町1)の「つじりの台湾茶」シリーズが11月10日、「第13回福岡県産業デザイン賞」を受賞した。
パッケージデザインだけでなく、「日台交流」というテーマも含めて取り組み全体でプレゼンテーションした。
市場性を有し、オリジナリティーの高いデザインの優れた県内企業商品を表彰する同賞。今年は136社162点の応募があり、大賞を含めた受賞商品は41点あった。
同店は昨年から台湾に進出。現在台北市内などに4店舗を展開し、福岡県の八女茶を中心に販売している。「茶文化が成熟した台湾だが、日本のお茶も受け入れられ浸透しつつある」と同社営業本部長の辻史郎さん。「デザイン賞へは『福岡と台北の茶文化交流』をテーマに応募した。八女茶を受け入れてくれた台湾の懐の深さを日本でも紹介したかった」とも。
応募にあたってパッケージデザインだけでなく、「台湾茶への理解を深めてもらう」機能のあるPOPや商品ポスター、タペストリーも同時に提出した。「これまで台湾茶のパッケージなどであまり使われなかったカラフルな色合いが目を引いたと思う。汎用(はんよう)性を高めた機能的なパッケージも評価された」と辻さん。
「つじりの台湾茶」は、「凍頂烏龍(ウーロン)茶」(50グラム840円)、「四季春烏龍茶」(同525円)、「東方美人茶」「茉莉花茶」「紅采プーアル茶」「梨山烏龍茶」(以上、同1,050円)の6商品から成るシリーズで、いずれも「廣方圓」(台北市)との提携で商品化が実現した。「来年、『廣方圓』の家族が来日し、語学研修と業務研修を兼ねて1年間小倉に滞在する。台湾との交流は今後も続ける」と、辻さんは「日台交流」への意気込みを見せる。