小倉のクリエーター向けテレワーク施設「フォルム三番街」(北九州市小倉北区魚町3)で3月30日、不動産価値を再構築するセミナー「リノベーションで行こう!」が行われた。主催は同施設を運営する中屋興産。
魚町銀天街内にも数多くある空きテナントを「リノベーションによって新たな不動産価値を創造しよう」という動きから、同社の「三番街事業部」が企画したもの。当日は、近隣の不動産オーナーや建築家、学生、クリエーターら約50人が集まった。
これまで同社は同施設のほか、昨年6月に開業した民間インキュベート施設「メルカート三番街」、4月1日開業する雑貨クリエーター向けインキュベート施設「ポポラート三番街」など、約40年間総合衣料品店が入居していたビルを「用途変更」してリノベーションを行い、低廉な賃料でクリエーター向けに貸し出す活動に取り組んでいる。
セミナーでは、同社のリノベーション計画に関わったらいおん建築事務所(東京都豊島区)の嶋田洋平さんは、「商店街内で家賃による競争をしてテナントを奪い合うのではなく、ここに新しい仕事を作って、これまで、ここにいなかった人を呼び込む。容積率や賃料で最高利益を目指すのではなく、参加する人々のハッピーを目指す」と説いた。
講師を務めたブルースタジオ(東京都中野区)の大島芳彦さんは「新しい人たちが新しい価値を共有してコミュニティーを形成できるように『ライフスタイルの編集』を行いながらリノベーションを行う。つながりや参加する楽しみを共有する環境づくりが新しい価値を生み出す」と話した。