北九州市門司麦酒煉瓦館(北九州市門司区大里本町3、TEL 093-382-1717)が4月で開館8周年を迎えた。
門司駅西側の「赤煉瓦プレイス」の一角にある「北九州市門司麦酒煉瓦館」
2000年までサッポロビール九州工場だった同所の事務所跡を、前身である「サクラビール」や「大日本麦酒」の歴史を振り返る年表や展示物、当時の工場模型などを展示する施設として2005年に開館。以来、産業考古学に関心のある来館者が多く訪れ、年間約5万人を数えるという。展示面積は約460平方メートル。
本年度から、施設管理業務の受託業者がNPO法人「門司赤煉瓦倶楽部」(同)に移管されたことに伴い、同NPOが九州大学や九州産業大学で「近代化遺産」の研究を重ねてきた市原猛志さんを館長に迎えた。市原さんは昭和初期に栄えた料亭「旧三宣楼」(港町)や「旧小倉警察庁舎」(小倉北区室町2)の建物保存活動で知られ、「特に北部九州の近代化遺産研究」をライフワークに掲げている。
市原さんは「市民には館の存在が知れ渡っていない。開館以来、展示内容はほとんど変わっていないこともあるが、今後展示内容の入れ替えや近隣の博物館と交換展示、北九州の産業観光情報発信などを行い積極的に広めていきたい」と意欲を見せる。「この建物が竣工して今年でちょうど100年目。このタイミングで館長に就任したのも何かの縁」とも。
開館時間は9時~17時。観覧料は、大人=100円、中学生以下=50円。