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エリア特集2015-02-28

「リノベ祭り2015冬」後編

 小倉・魚町「サンロード商店街」(北九州市小倉北区魚町3)で2月11日~15日、“まちを使い倒す”をテーマに、「リノベーションスクール」、パーティー&トークライブ、全国特産品販売などで構成する「リノベ祭り2015冬」が行われた。

 「事業計画コース」2日目はおもにフィールドワークに充てられる。短い時間を最大限に活かすために、受講者たちは周辺住民とコミュニケーションを取り、土地勘や周辺の空気、物件が持つポテンシャルを咀嚼する。文字通り、土地へ、住民の胸襟へ飛び込んでいくわけだ。机上の空論に終わらせない裏付けを求めてスクールを通じて初めて出会った受講者同士が侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を繰り返す。

 過去7回のスクールでは「もっと話せばよかった」と受講生のコメントが多く寄せられたという。今回の受講生に限ってはその心配は無いように見える。3日目ともなると、熱い議論を集約したペーパーはテーブルの上に留まらず、床や壁、柱を総動員して貼りだされる。

 期間中は、スクールだけでなく、魚町を中心としてさまざまなイベントも行われた。

 「公共空間活用コース」は「逆襲の鳥町」をスローガンに、今夏撤去予定の「サンロード商店街のアーケード」跡を、市民に開かれた空間とする「公園化のシミュレーション」を行った。

 路上で詩の朗読やコーヒーサービス、書のパフォーマンス、全国から集まった公務員が特産品を販売したり、Tシャツの販売をしたりと、開け放たれた天井から見える青空とともに一帯は華やか空気に包まれた。

 「事業計画コース」の受講者は、早朝から深夜まで、さらに多くが徹夜して、まさに脳に汗をかきながら事業案を練る。そして最終日、それぞれのコースから提案された事業案がこちらだ。

ベラミ山荘

3000
坪近い広大な敷地面積を持つ元キャバレー「BELAMI」の従業員寮。当時、横浜・神戸に次ぐJAZZ文化賑わった街・若松に再びJAZZの灯火を「JAZZYLIFE in Wakamatsu」を提案。「若松に活気を取り戻そう」「JAZZ文化をベース」にミュージシャン向けのシェアハウス、スタジオ、共用ラウンジなど。

アドバイザーからは「ヤバい体験を有無出すための仕掛けが欲しい」「高齢者も元気になって、若者と一緒に元気になるのでは」「ここに住んだ時の収入が入ってくるイメージが欠けている、ネット配信による収益などがあれば」などの意見が。
北九州市商工貿易会館

1階のフロアと前庭が提案の素材。意外と子育て世代と高齢者が混在するエリアで、世代間格差がある。解決策としてガラス張りの内部と外部を一体化した「芝生化」と植樹、キッチンカーなどの誘致を提案。

ビル自体の稼働率と正面から向かい合う提案がほしい」「キラーコンテンツは?」「儲けのアイデアがほしい(例、出張バーベキューサービス)」など。
北九州国際会議場

毎年5億円の管理費に対して収入は3億円、つまり2億円の赤字を垂れ流し…。小倉駅北側は「サブカル」をテーマにした変化の兆しも見える。「大ホール」は席を取り払いライブハウスに、ほかにコスプレなどの都市型イベントを誘致する会社「ハーバーピーポー」の設立。

「変化の兆しを捉えるのは大切」「1.5年で投資を回収できるのは魅力的」「北九州市内でこうしたイベント自体が行われていないことは機械損失」など。
小倉荘

すでに住んでいる高齢者と共につくるサイクルカフェを併設したシェアハウス「KATARUNO」。若者と高齢者が同時に住むことで社会的な意味合いも含める。AirBNBなど人的交流が進む仕掛けも導入する。

「住みながら作っていく場合の『作る側』のサポートがほしい」「家賃目標をもう少し高めに」などの意見が見られた。
サンロード商店街の元雑貨屋の空き店舗

延べ床面積12坪の狭小店舗だが、8月のアーケード撤去、緑地化に向けエリア全体のイメージが変わりつつある。そこで新しい業態として「中古ベビーカーの取り扱いとそのカスタマイズ」を行う店を提案。

「ヤンキーな街には『デコ文化』は似合う」「2~3年しか使わない他のものを素材にしたヨコ展開も可能」「在庫を持たず、委託販売の手法も取り入れたら」「北九州市の新生児は年間8000人。ベビーカーは16%程度中古というデータも」などの意見があった。
井野屋ビル

床面積1778平米の大型店舗。郊外型モールと違い「魚町には雨の日に行ける施設がない」ことから「屋台、ピクニックフロア、デリアテッセン、カフェ、パン工房、シェアオフィス、シアター、貸しスタジオなどの複合施設」を提案。駐車場にした場合との比較では意外と高収益。

「一度に盛り込み過ぎでは。優先順位をつけて徐々に開発しては」などの意見が見られた。
近藤会館

小倉のファッションや文化をテーマにしたライフスタイルマーケット「3LKOKURA」を提案。小倉織を素材にしたスニーカーや服などを商材とする。

「小倉織を仕入れて、メーカーに発注し在庫をする?誰とやるのかが不明瞭」「ファッションの提案は変数が多い。対象とするターゲットがつかみにくい」「ビル全体の価値を高めるものや地域に還元できるものであれば、家賃を大幅に削減するという提案もあるのでは」など。
八幡の急斜面地の空き家

「日本中雨の空き家問題を解決するお話をします」と意気込んだプレゼンは企業から「共済金」を募って維持管理する「震災時のバックアップオフィス」。通常時はシングルマザーなどの低所得者が維持管理する。

「だんだん集約しなければいけない社会に言及したいい案」「ワークショップの開催など、地震がなかった時のベネフィットを用意しては」「新しいセーフティネットとして、今後の考え方のスタート地点となった」など。

セルフリノベーションコース

 築50年の木造長屋を素材に「1階は、友人が気軽に訪ねてきてくれるような空間。2階は、引きこもりたくなるようなプライベート空間」をテーマに、約20人が3日間で改修した。

 セーターやダウンジャケット、縫製工場から譲り受けた糸くずなどで「高気密高断熱」の壁を施した。南側外壁には「空き缶を利用したヒーター」を、屋根には「ソーラーパネル」を設置した。

 「たった3日間で『オフグリッド』な住宅ができたことに驚き」「ほかでも簡単に取り入れることができる」など、賞賛が続いた。

公務員リノベーションコース

 各地の行政職員を対象に「まちづくりへの意識改革」をテーマに、座学中心に行われたコース。

 発表では「担当業務だけが自分の仕事じゃない、市役所内に仲間をつくる」「変な公務員になるぞ」「行政の役割は、規制緩和と人と人をつなげること」「思いはあったが、ただ思っているだけ。覚悟を持って『やる』」「デキる上司の隣りに座ってるだけで、自分ができる公務員だと思ってた」「俺って官僚なのに?意識勘違いしてた。官僚である前にひとりに市民」など、それぞれが熱い思いを吐露した…。

最後に…

 代表の清水さんは、「民間はパブリックマインドを持ち、まちづくり事業を通じて収益を上げ地域に貢献する。公共は、パブリックマインドを持つ民間を支援し、公共でなければできない役割をスピーディ果たす。まちの自立力を育てる都市経営を目指すことが大切」と締めくくった。

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