枝光本町商店街の「アイアンシアター」(北九州市八幡東区枝光本町、TEL 093-616-9890)で7月16日・17日、熊本大学演劇部OBらが結成した「ゼロソー」が公演「ピッチドロップ」を行う。
2015年に九州の劇作家を顕彰する「九州戯曲賞大賞」を受賞した熊本在住の劇作家・河野ミチユキさんによる最新作。
個体に見える物質が長い年月をかけてゆっくりと滴る様子を観察する「ピッチドロップ実験」をする地方大学の研究室が舞台で、「地震に襲われめちゃくちゃになった研究室に残された頭部だけの女性。頭部だけで生き残った女性は教授の妻で、教授の思惑や妻の心情、取り巻く学生たちとの交流の中で、それぞれに生きる力を見出していく」という。
主宰する「ゼロソー」制作担当の松岡優子さんによると「熊本大地震は生活を一変させた。本震直後から熊本のためにアートができることがあるはずだと信じ、メンバーはそれぞれの生活がままならない中、避難所訪問を始めた。地震から1年が経過し、仮住まいを余儀なくされている被災者の方々もまだ4万人もいる。そんな熊本の方に生きる力を感じてほしいと描く満身の新作上演」という。
シアターをプロデュースする鄭慶一(チョン・ギョンイル)さんは、同劇団を招聘することに触れ「九州にもこんな実力のある劇団が存在することを北九州の人にも知ってほしい」と力を込める。
開演時間は、16日=14時~・19時~、17日=14時~。入場料は、一般=2,500円(前売り2,000円)、高校生以下=1,500円(同1,000円)。