小倉駅前のペデストリアンデッキ上で7月1日、小倉の夏の風物詩「小倉祇園太鼓 打ち初め式」が行われ、33団体63台の太鼓が一斉にそろい打ちをした。
「打ち初め式」は各グループの練習解禁の区切りでもあり、この日を境に、子どもや大人たちが学校や仕事を終えた夕暮れ時、市内各所の路上などで本番に向けた太鼓の練習が始まる。町中で鳴り響く太鼓の音は、「小倉の夏の風物詩」として、旅行情報サイトやブロガーによって海外観光客にも知られている。
来年、発祥400周年を迎える小倉祇園太鼓は、当時の小倉藩主・小笠原忠興(ただおき)が、一帯の干ばつや疫病、水害などを鎮めるために「祇園社(現在の八坂神社)」を建立し、京都の祇園祭りを模して始めたと言われる「祇園祭り」を起源としている。当初は「能行事」主体の神事の色合いが濃いものだったが、後に市民主体の太鼓やすり鉦を鳴らすにぎやかな祭りへと変わっていった。
同太鼓は、文化庁から「記録作成等の措置を講ずべき無形の文化財」として選択(2016年)されたことで、保存振興会(事務局=小倉北区城内2)は「国指定重要無形文化財」の指定を目指している。
小倉祇園太鼓の今後のスケジュールは、八坂神社「お潮井取り」=7月10日、神山が町内の厄を払う「御神幸(ごじんこう)」=20日、繁華街を各町の山車(だし)が練り歩く「宵祇園(よいぎおん)」=20日、100団体以上が披露する「太鼓競演大会」=21日、山車で引かず据えた太鼓で技術を競う「据え太鼓競演会」=22日、山車約70台4000人が太鼓をたたき続ける「廻(まわ)り祇園」=22日など。