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小倉の設計事務所「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」受賞 市長に報告

受賞の笑みをこぼす田村晟一朗さん

受賞の笑みをこぼす田村晟一朗さん

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 小倉の建築設計事務所「タムタムデザイン」(北九州市小倉北区京町1)を主宰する一級建築士の田村晟一朗さんが、「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」の最高賞である「総合グランプリ」を受賞した。2年ぶり2回目。

【関連画像】玄関から窓まで一直線にのびる「関門海峡への道」。間接照明を用いることで「道」を強調した

 約900社の建築施工業者や設計事務所が加盟する「リノベーション協議会」(事務局=東京都渋谷区)が毎年、住宅や商業施設を対象に優れたリノベーション作品を選ぶ同コンテスト。授賞式は昨年12月行われ、2月26日、北橋健治北九州市長を訪問し受賞を報告した。

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 2018年は246件の応募があり、田村さんがデザインした、門司港レトロ地区のランドマークともなっている故・黒川紀章設計のマンション「門司港レトロハイマート」の1室が受賞した。

 田村さんは「巨匠の黒川さん建築を再構築するという重圧はあったが、(建設当時の)黒川さんが歩いたであろう門司港の町並みをたどったり、風景を眺めたりしながらコンセプトを磨いた」という。リノベーション前の間取りでは、室内から海峡を眺めるポイントはリビングルーム1カ所しかなかったが、それは「家族がリビングに集まりやすいように」という黒川さんのメッセージだと解釈した。

 「(リノベーション後に)ここに住む顧客が定まっていない状態でデザインを構築するという難しさがあったが、室内にもっと海峡の景色を取り入れたい」と考えた田村さんは、仕切りを全て取り払い、腰から上をガラスで仕切る大胆な手法で、玄関から窓に向かって「関門海峡へつながる道」を構築した。

 室内のどこからでも海峡の景色を堪能できる空間となり「朝焼けや夕焼け、紫色に染まる関門海峡の空は住居内のガラス全てに反射を繰り返し、玄関まで趣を運ぶ」という。

 田村さんは「黒川紀章先生、20年後のローカル建築家が出した『関門海峡への道』というリノベーション問答。この答えはいかがでしょうか」と巨匠へ問い掛けた。

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