映像制作会社の「ピクス」(東京都渋谷区)が今月、ロボットヒーロー小説「ブルバスター」に登場する架空の中小企業「波止(なみどめ)工業」の小倉駅前出張所を設けた。
劇中の二階堂アル美に扮する「ピクス」社員と、北橋市長、中尾さん
出張所はコワーキングスペース「コンパス小倉」(北九州市小倉北区浅野3)内に設け、3月15日、同社と北橋健治北九州市長との間で「巨獣駆除協力に関する覚え書き」を取り交わした。この模様は、同作品のアニメ化や実写映画化を計画するためのPR動画の1シーンにもなっている。北九州フィルムコミッション担当者によると、「動画の演出と、実際の記者会見との組み合わせは前代未聞」という。
演出上の会見では、藍島(あいのしま)をイメージした「龍眼島」で火山性有毒ガスが発生したことを報告する市長に、エキストラ扮(ふん)する新聞記者らが「巨獣が現れたのでは?」と詰め寄るシーンなどもあった。
作品は同社の映像監督・中尾浩之さん原作で、燃料費や人件費、資金繰りなどの経費とせめぎ合いながら、建設重機を改造したロボットで、正体不明の怪獣退治をする中小企業「波止工業」で働く社員たちの奮闘ぶりを描いている。
中尾さんは「(小説の舞台が)工業地帯で沿岸に島があり、街なかの風景など庶民的な生活の雰囲気が北九州にぴったり」と言い、今後の作品イメージにつなげていきたいと期待を寄せる。