人口減に打開策を見出せない北九州市が、若者向け定住施策として「魅力あるまちの未来像づくり」に本格的に取り組む。
北九州市は近年、「子育てしやすさ」や「福祉の充実」「高齢者が住みやすいまち」を前面にうたってきたが、反面、若者層への響く魅力には乏しい。昨年、東京・千代田区で開催した「KitaQフェスin Tokyo」は約1万1000人の来場者があり賑(にぎ)わったが、現状の姿をPRしたに過ぎず、ほかに定住支援や奨学金返還支援など、助成金を活用した例などあるが、他都市でも同様の取り組みがあり、北九州独自の魅力には至っていない。
8月7日、市幹部が集まった会議で「若者が語る北九州市の未来創造プロジェクト」が発足し、市内大学生ら20人による座談会の開催や未来予想図の作成、採用5年以内の若手職員8人で構成するプロジェクトチームでアンケートの実施や若者向け施策の構築などが発表された。
企画調整局地方創生推進室次長の佐藤幸博さんは「20~30年後、自分たちの子どもたちが成人した頃に北九州市がどうなっていてほしいかを描いてもらいたい。既存施策の延長線上ではない新しい発想を」と期待を込める。「若者に選ばれるためのまちづくり未来予想図を来年1月までに作成し、発表したい」とも。
財政局長の小牧兼太郎さんは「実行可能なものは来年度の予算要求にも反映させたい」とエールを送った。